続き→ トップへ 短編目次 ■檻の中の風景3 「……っ!」 「ふふ。興奮してきたんじゃない?勃ってきてるよ?」 「誰が……っ!」 下半身の膨らみを手で優しく撫でられ、頬が紅潮する。 「そう?ノッてないっていうなら、証拠を見せてもらわないとねえ」 そうしているうちにベルトが抜き取られ、下着ごとズボンをずり下ろされる。 外気に晒されたそれは、確かに硬くなっていた。 「やめろ……っ!」 「そう?俺はいい格好だと思うけどな。孤高で知られた時計屋が、手錠をされて服を 剥かれて、鞭で叩かれ、それですっかり起っちゃってるんだから」 「み、見るな……」 相手の思惑通りになるまいと必死にもがく。 だが、両手は拘束され、両足は押さえつけられ、身動きもろくに取れない。 手錠が虚しく金属音を立てるばかりだった。 ジョーカーはその様を冷笑するように見ながら、 「そういう顔をされると、もっといじめたくなるよねえ。 道具も用意してないし他の囚人もいないのが残念だよ」 道具はともかく、囚人を使って何をする……いや、させるつもりなのか。 恐らく聞いたら後悔するような、ろくでもないことだろう。 「あれ?想像だけで興奮しちゃった?ごめんごめん。 まあ、ここにずっといるんだから、そのうちやってあげるよ」 「――っ!」 言われた内容より、実際に反応してしまった自分自身に強烈な羞恥心を覚える。 「さて、名目はいちおう身体検査だから、真面目に仕事しないとね」 言うと、制服のポケットから何か瓶を取り出し、中の液体を手に広げる。 「ジョーカー、や、やめろ……」 「知らないの?男でも女でも、下の×××にご禁制の品を隠して密輸するってのは、 定番の手口なんだよ?まあ、そういう検査を異性にやれば立派なセクハラだけど、 同性が調べる分には問題ないよね」 「どこが問題ないだ……さっきからお前のしてることは……」 「問題ないだろ?ちょっとふざけたけど、俺は所長として囚人を調べただけ。 なのに勝手に反応しちゃって、物欲しげにしてるユリウスが淫乱なだけだろ」 「なっ……!」 とんでもないことを言われ、怒りで我を失いかける。 だが怒りが形になる前にジョーカーが後ろに手を這わせる。 「く……っ」 抑えたつもりだが、声が出てしまう。ジョーカーはゆっくりと入り口をほぐしながら、 指を挿入していく。そのたびに声がユリウスの口からもれる。 ジョーカーは、いかにも不思議だと言わんばかりの声で、 「あのさ、俺は普通に検査しているだけ。何で汁までこぼすかなあ。 淫乱じゃないなら、さっさとヨダレ垂らしてるソレ、大人しくさせなよ」 言いながら片手で持った鞭で先走りを零す先端を軽くいじる。 それだけで声が漏れ、切なげにのけぞってしまう。 それを見、ジョーカーの瞳の紅が深まった――気がした。 「ユリウス、いい加減にしてくれないかな。 そういうことされると、何だか、誘われてる気分になってくるんだけどね」 「…………」 断じてそんな気はない。 だが、上がる一方の熱をどうにかして抑えたい衝動も湧き上がる。 ジョーカーはあくまで余裕の笑みで、雫にぬめる鞭の先端をなめながら、 「さて、どうしてほしい?俺はユリウスの口から聞きたいんだけどなあ」 「そ、そんなこと、言えるわけ……」 「言えないの?まあプライドの高い君の余裕を無くした顔を、もう少し楽しむのも いいけどさ。ふふ。このままの格好で放置するのも趣向として悪くないかな」 「く……ふざけるな……」 「もちろん。ふざけてない、本気さ。あ、ユリウスは縛られるとか興奮する方?」 「そんなことをされるくらいなら舌をかみきった方がマシだ!!」 羞恥や欲望も吹っ飛び、とんでもない提案を一蹴する。 「つまらないなあ。まあ、そっち方面はおいおい開発していけばいいか……」 サラリととんでもないことを口にし、ジョーカーは鞭を投げ捨てる。 「実を言うと、俺のほうもそんなに余裕じゃないからね」 ズボンの前を緩め、出したソレはユリウスに劣らず十分育っていた。 「ち、ちょっと待て……」 いつまで経っても、この瞬間だけは慣れない。 だがジョーカーは制止を聞いた様子はなく、先をユリウスの後ろにあてがうと、 「――――っ!!」 無理やりに挿入され、激痛が身体を突き抜ける。 だが声にならない苦痛の叫びに頓着せず、ジョーカーは動き出す。 「は……あ……やめ……っ」 「こんなに喜んでるのに?」 言われるまでもなく、ユリウスの×××は刺激を受けて限界まで張り詰めている。 「あんまり、俺より先にイカれると面白くないなあ……」 「っ!!」 突然、根元をつかまれ、高揚しかけていた意識が一瞬で凍る。 「何を…………」 「何って、お互い長く楽しめるようにしてるだけさ」 どこからか紐を取り出すと、根元をキツく縛りつけた。 3/10 続き→ トップへ 短編目次 |