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■小さい時計屋・中

ユリウスはグレイの膝の上から降りようとした。
だがナイフ付の強靭な腕ががっしりと回され、阻まれる。
「子供……だが、時計屋だ」
嫌な予感は強くなる。
同時にグレイの手の動きが変わってきた。
ついさっきまで子猫を撫でるように頭に肩に優しく触れていたのが、今は反応を探る
ように胸や腿のあたりを探り出していた。
動きが危険なものになっていくのを感じ、ユリウスは焦る。
――ちょ……ちょっと待て!
必死で己の時計を進めようとした。だが何度やってもかなわない。
「トカゲ。お前、まさか、そういう趣味があったのか?」
常識に訴え、正気に戻らせようとする。するとグレイも真顔になり、
「あるわけがないだろう。一番悪さをしていたときでも子供には興味がなかった」
だが、そう言いながらユリウスを離す気配はない。
「降りる!すぐ離せ!」
ユリウスは必死にもがいたが、グレイはビクともしない。
それどころか、ユリウスの上着をゆるめ、手を服の中に侵入させる。
「ぁ……やめ……」
膝に乗せられ逃げ場もない。小さな身体を手が遠慮なく這い回る。
ユリウスは何とかもがきながらも顔を紅潮させ、羞恥に耐えた。

「どこもかしこも小さいんだな……何だか犯罪を行っている気分だ」
「い、いや、実際にそうじゃないか。子供に欲情するなど最低だぞ!」
「ああ子供だ……だが、時計屋だ。俺の大切な……」
「――ぁっ!」
ユリウスの喉から上ずった声が出る。グレイの大きな手が、小さな突起をくすぐる。
「いい声じゃないか……すまん……止まりそうに無い」
「ま、待て、トカゲ!!」
青ざめたユリウスが暴れるのを意に介さず、グレイはユリウスを軽々と抱え、ベッドへ上がる。
「うわっ」
ユリウスはベッドに転がされた。起き上がる間もなくグレイがのしかかってくる。
その大きさに思わず息をのむ。小さくなった自分は彼の影にすっぽり入り込んでしまった。
「怯えているのか?本当に可愛いな。今の自分が不安か?それとも俺が怖いのか?」
グレイはユリウスをなだめるように頬をなで、額に口づける。
「大丈夫だ。お前の体を傷つける真似はしないさ」
――嘘をつけ。嘘を!
だがこの状態から逃れるのは困難なようだ。ユリウスは歯がみし、
「わ、わかった、グレイ……だけど、××××は……」
「ああ、大丈夫だ。××だけにしておくから――」
「おい!」
「冗談だ。残念ではあるが、止めておくさ」
絶対的優位に立つ余裕か。おかしそうに笑うグレイを睨み殺せたらと思う。
だが、そんな気分もグレイの魔の手が伸びるまでだった。
「――ん、ぁっ!」
グレイの手が服の上からユリウスの股間をまさぐる。
いつもと違う動きや大きな指に翻弄され、ユリウスも身体が熱くなり始めていた。
「ま、待て……ん…ゃ……」
グレイの手が素早く時計屋の服を脱がす。ほどなくして一枚残らずベッドから放り出された。
気がつくと、ユリウスは一糸まとわぬ姿で、コートを脱いだだけのグレイに見下ろされている。
身を守るものは何一つない。
「ぁ……み、見るな……」
腕で隠そうにも、すぐに手足を押さえつけられ、じっくり観察される。
男同士だというのに、どうして羞恥心に熱くなるのか。グレイは微笑み、
「どこもかしこも可愛いな。小さい……和む……」
――和むというのは閨で言う台詞だっただろうか。
深く考える間もなく、グレイに抱きすくめられる。
唇に、首筋に、鎖骨に甘い口付けが降りていく。
「ん……や……ぁ……」
舌が薄い胸をまさぐり、たくましい手がむき出しの幼いモノを撫でる。くすぐり、
強く指で擦り、いいように刺激を与えて悪戯をする。
「だめ……や……さわ、るな……」
押しのけようとしても力が違いすぎる。
抵抗は完全に無視され、グレイは好きなようにユリウスの身体を弄んだ。
息遣いが荒くなる。グレイの手は熱くそして優しかった。
「ぁ…………やめ……ぁ……ぁ……」
気持ちよくて、気持ちよくて何も考えられない。
もっと触ってほしい。気持ちよくしてほしい。
先端からは透明の液体がこぼれ、グレイの手を伝う。
もっと刺激が欲しくて、いつの間にかユリウスは自ら足を開き、こすり付けるように
腰を動かしていた。それを見てグレイは微笑み、
「ふ……小さくなると素直になるんだな。
元の姿のときも抵抗などせず、こんな風に甘えてくれれば俺だって――」
再び腕を回され、深くキスをされた。
ユリウスも応えて抱きしめ舌をからめる。
それだけでもう限界だった。
すっかり起ち上がった幼い性器がスーツのズボンにあたり、汁をだらだらこぼしている。
「やれやれ、このスーツでは次の会議に出られないな」
濡れたズボンをつまみながらグレイは苦笑する。心まで子供になったわけではないのに
子供扱いされ、ユリウスは頬をさらに紅潮させる。
「ほら、欲しいとねだってごらん。どう触ってほしいんだ?」
「そ、そんなこと言え……ぁ……だめ……や……っ」
どんなに虚勢をはっても、手慣れたグレイの大人の動きに翻弄されてしまう。
そして快楽に流されやすい身体は、早くも限界が近かった。

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