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■トカゲと子犬のゲーム4

※R18

時間帯が夜になる。廃倉庫にはわずかな月明かりが差し掛かるのみで
暗闇に包まれていた。
「い、痛い……止めて……!止めてくれよ、トカゲさん……!」
泣いて懇願するが、トカゲは後ろに指を入れるのを止めない。
「うるせえ!あんまり動くと中を傷つけるぞ。
入りやすいように解すだけだ。ほら、力を抜け。殴られたいか?」
「……っ!」
暴力をちらつかせられ、息を呑む。
「そうだ。大人しくしとけ……やっぱり狭いな」
足を開かせ、潤滑油を塗りつけた指を増やし、何度も内側を刺激する。
苦痛と屈辱と羞恥に、エースはただ歯を食いしばって耐えた。
やがて、圧迫感が消失する。
指が抜かれたと分かって、安堵に息を吐くが、
「よっと……」
足を抱えられ、後ろに生温かい熱を押しつけられ、ギョッとする。
「や……やだ!止めてよ、嫌だよ……!!」
今さらながらに暴れたが、一度達しており、力が入らない。
「……っ!!」
喉元をガッとつかまれた。
暗闇の中に浮かぶトカゲの目はどこまでも冷たく、血の通った生物とは
思えない。
「てめえの身から出た錆だろうが」
そして一片の慈悲も容赦もなく、押し入ってきた。

「――――っ!!」
悲鳴が響く。メチャクチャに暴れ、どうにか逃げようとした。涙がこぼれ、
この痛みを少しでもどうにかしてくれるなら、何でもすると思った。
「ん……ぐ……」
緩急つけ、ゆっくりと押し入るトカゲは、そんなエースの苦しみさえ
楽しんでいるようだった。
「良い声、出すじゃねえか……いくらでも叫んでいいぜ」
誰にも届かない。そして苦痛か快感かに顔を少しゆがめる。
「はあ……この……×××……」
「う……や……やぁ……」
トカゲはどうにか深く埋め込むと、エースの涙を指先で一滴すくい、そっと舐める。
動きが止まったことでわずかに痛みが和らぎ、エースが涙に濡れた目で
見上げると、グレイは身体を折るように、そっとキスをした。
「動くぜ」
「……ダメ……!!」
止められるはずもなく、トカゲが動き出す。
「ん……ぅ……――――っ!!」
熱を持った塊が内を圧迫し、何度も何度も押し入る。
打ち付けられ、噛みつくような口づけをされ、懇願しても許してもらえない。
目の前にトカゲがいて、自分を征服している。自分だけを見ている。
そう思うと――。
「あ……ああ……っ……」
「……?何だ、おまえ……何で、勃って……」
無理やり押し入って反応されるとは思わなかったらしい。
トカゲがこちらの××に手を添え――
「…………っ……!」
ビクッとのけぞる。快感に痛みが一瞬遠のいた。
「おまえ……まさか、感じてるのか?」
緩慢に腰を動かし、手で愛撫しながら言う。
「ち、違う……だ、ダメだ……動かさない……で……」
「××××……」
吐き捨てると、トカゲが手を離す。そしてエースの足を抱え直し、
一気に押し進んできた。その勢いと強烈さに息が荒くなる。
「……ひっ……嫌……いや、だ……」
「何がだ。こんなに勃って、俺の腹に押しつけてんじゃねえか」
「やだ……」
ガンガンと打ち付けられるたびに頭がおかしくなっていく。
男相手に、何で自分がこんな反応をしてしまうのか、全く分からない。
トカゲの腹にあたる××は生温かい体液を流し、そのたびに痛みが
和らぐ錯覚さえした。
「トカゲ、さん……もっと……」
背中に手を回し、ねだっている。頭がおかしいと思うのに止められない。
「畜生……っ……
苦しげに言い、キスをしてくるトカゲ。腰を抱く手が熱く、打ち付けも
より激しく、苛烈になる。
「ん……っ……や……っ……」
つながった箇所からなぜか体液がこぼれる。きつく穿たれ、頭が沸騰
しそうだった。
「……トカゲ、さん……」
求めるように手を伸ばすと、その手を捕まれた。
そして限界極まった感のトカゲが耳元で脅すように囁く。
「グレイ、だ」
「…………グレ、イ……もう……」
より奥を穿たれた瞬間、声を上げ、腹に放ってしまう。
「…………エース……っ……」
中に放たれる瞬間、自分の名を聞いた気がした。

…………

…………

「ほら、口を開けろよ」
トカゲが困ったように言う。
「ちゃんと冷ましてくれた?」
「ガキがぜいたく言ってんじゃねえよ……。
ほら、冷ました。これでいいだろう?」
何だかんだで言うことを聞き、『あーん』とスプーンを近づけてくれる。
エースはベッドに横たわったまま、トカゲの給餌でおかゆを食べた。
「美味いか?」
「まあまあだと思う」
「本当に可愛くねえな」
トカゲが苦笑し、何となく二人の目が合う。
「…………」
そしてゆっくりと唇を重ねた。

何がどうなってそうなったのか、エースはよく分からないし、トカゲも
もっと分からないだろう。廃倉庫で悪ガキを痛めつけ、自宅で介抱したのち、
追い払う……というのがトカゲの計画だったのではと思う。
だが強引な行為にエースの身体がついていけず発熱し、トカゲがそれを
看病し……とやっているうちに、気がつくと本当に『そういう』関係になっていた。
「俺にこんな性癖があったなんて……ショックだ」
空になった皿を流しに片付け、トカゲが戻ってくる。
そして上着を脱ぐと、ベッドで寝ているエースの横に潜り込んだ。
「トカゲさん。あんまりやったら、俺、また熱が出ると思うんだけど」
少しベッドの中で動き、甘えるように抗議するが、
「そのときはまた看病してやるよ。一人も二人も同じだ」
そうだろうか、と思うが、トカゲにズボンを下ろされ、こちらの幼い××を
まさぐられ、愛撫されると声が出ない。
「と、トカゲさん……」
「ん?大丈夫だ。しばらくは入れねえよ。
別の方法で満足させてはもらうがな」
上着をたくし上げ、エースの胸を舐めながら笑う。
――『しばらくは』って……また、あるの?
別の方法、という言葉にも色々不安があるが、関係を続けるつもりらしい
胸に小さな灯りが灯る。
「トカゲさん」
ねだるように呼ぶと、顔を上げ、キスしてくれる。
「エース……」
名前を呼ばれるのが、くすぐったくて嬉しい。
自分たちの関係がこれから、どうなるのかは分からない。
でもトカゲに任せていれば大丈夫だろう。
自分自身でも切り開いていける。きっと。
そうエースは思う。

誰も来ないアパートの一室のベッドで、二人は互いの身体を探り、息を
乱していく。服を剥がされ、反応させられても、もう嫌な気持ちはしない。
「好きだ……」
キスを交わし、抱きしめた。
そして夜通し続けられるだろう快感に、落ちていった。



リク内容:グレイ×エース。ダイヤの国設定でトカゲを挑発して痛いお仕置き

遅れて申し訳ありませんでした。
<(_ _)>

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