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■軽い仕返し4

※R18

「……ん……」
急かすように服を脱がされ、下半身に手がおよぶ。
「……ッ!……っ……」
一度達したため、奴に比べ、反応しているとは言いがたい××に手を
そえられ、反応を引き出させようと何度も扱かれる。
「…………ぅ……っ……」
肩に傷み。今度はこちらが犬歯を突き立てられたらしい。自分の時は
軽く歯を立てた程度なのに、確実に跡がつく強さで牙を立てられる。
「馬鹿!止めろ!!」
命令するが、鎖から解き放たれた犬は止めない。
「だって、ユリウスが悪いんだぜ、俺を、興奮させるから……!」
「あれのどこに興奮……馬鹿馬鹿し……っ!……ん……」
指の動きに達しかけ、寸前で止められ、どうにか押さえ込む。
エースが。枕元に常備している機械油の瓶を取り、性急に手に絡めているのが
見えた。足を開かされ、本来なら生殖器官ではない場所に指が潜り込む。
「ん……」
長い関係ですっかり慣らされた身体は、痛みではなく快楽を感じている。
「ユリウス……」
指を増やされ、内壁を侵され、快感にうめいた。
「そんな顔するなよ……俺、もう……」
そしてエースは前を緩め、いきり立つ××をユリウスの後ろにあてがう。
「……っ……!ぅ……」
機械油の力を借り、猛った雄が侵入した。

「ユリウス、動くぜ」
「……ああ」
普段なら確認しないことを確認され、戸惑いつつうなずく。
「……ん……っ……」
限界というのは本当だったのか、激しく動き出した。
「っ、は……ぁ……!……エー……ス……」
呼吸もまともに出来ないほど揺さぶられる。
快楽と圧迫感。押し入られ、引かれるたびに、達しそうになり、何とか
押さえた。先走りの液が溢れ、エースの腹を汚す。
馬鹿は少し笑って指ですくうと、ためらわずに舐めた。
「……馬鹿が……ぁ……っ!……」
全身がどうにかなりそうなほどに激しく穿たれる。そしてかすれ声で、
「ユリウス……俺、もう……」
「……エース……っ……」
何も考えられず、目の前の男を抱きしめた。
力強く抱きしめ返す腕と貪るような口づけ。
「命令だ。まだ終わる、な……」
息を呑む音。
「無茶、言うなよ……俺だって、つながっていたいけど……」
「だったら、耐えろ、馬鹿犬」
「……ユリウス……」
悲鳴のような抗議のような、嬉しさのような。
「は、あ、ああ……っ……ん……」
そしてさらに激しい抽送。内を限界まで支配され、永遠につながって
いたい気さえする。
しかし、限界に限界を突き詰めた向こうの身体はさして保たず。
「――……ん……っ……」
内側に生温かいものが大量に放たれる。
「……っ……」
ほぼ同時にユリウスも達し、くぐもった声が部屋に響いた。
荒い息づかいがしばらく収まらずに響く。
「ユリウス〜。土壇場であんなこと言うなんて、反則だぜ」
珍しく疲れた様子のエースが、汗ばんだ身体でユリウスの上に倒れ込んだ。
「重い。うっとうしい。さっさと離れろ。服を着て出て行け」
「なあ、もうそのプレイ、止めようぜ、ユリウス」
笑いながら馬鹿が言って唇を重ねてくる。
「何がプレイだ。私は別にいつもと変わらない」
「はいはい、ご主人様」
後ろから抱きしめられた。
「またやったら許さないからな」
「分かった分かった」
頑丈な腕に抱え込まれ、ユリウスは少しずつ眠気に溺れていった。
かすかな満足感を胸に。

…………

…………

「で、これはどういうことだ」
声が冷え冷えとしている。
場所は冷気あふるる監獄。もちろん閉じ込められるいわれはない。
逃亡しようにも、両手は鉄格子にガッチリと鎖で縛られていた。
「いや、それが俺たちにも分からないんだ。処刑人は『ユリウスに妙な
プレイに目覚めさせられた』とか言ってたけど」
鉄格子の外の道化は、腕組みをして首をかしげる。
「何だそれは。私はあの馬鹿に何もした覚えは無い」
したことと言えば、鎖で拘束し、少し焦らした程度。
だがそれは自分がいつもされていることの、軽い仕返しだ。
というか、それなら自分が縛られればいいだろうに、何でこちらがまた
縛られなければいけないのか。しかも監獄で。
「おまえ、あの馬鹿を焚きつけただろ。中途半端に反撃されりゃ、また
同じ目にあわないように、徹底的に押さえつけ、屈服させなきゃ
気がすまなくなるってもんだ……犬のしつけに失敗したなあ」
「…………」
道化の隣に立つ監獄の所長に、呆れ果てたように言われ、背筋が冷えてくる。
軽く仕返しをして戒めとしたつもりだったが、逆に奴の加虐心を煽ったのでは
……という後悔がヒシヒシと胸に押し迫ってくる。
そしてカツカツと靴音がし、とうとう看守服の男が姿を現した。
「で、どうするって?」
「俺たちも手伝っていいのか?」
道化や所長が心底から楽しそうに言う。
「ああ、もちろんだ。まず、ユリウスが泣き叫んで、頼むから触れてくれ、
解放してくれって懇願するところから見たいかなー」
「はは。お安い御用だよ。一緒に楽しもう」
「ええと、男をいたぶるのは趣味じゃねえが、時計屋の醜態は見たいからな」
楽しそうな道化と、嫌そうなのに、なぜか乗り気の所長。
三人が邪悪な笑いを浮かべ、こちらに近づいてくる。
「……仕事をしたい」
――次はしつけをちゃんしよう。手心を加えず、最後まで徹底的に。完璧に。
だが、次の機会は巡ってくるのか。
しかもそれは、確実にユリウスの方が『手心を加えず、最後まで徹底的に。
完璧に』弄ばれた後の話なのだ。


最初の拘束を上回る惨劇を予感し、ユリウスはガックリと肩を落としたのであった。



…………
リク内容:やけに積極的なユリウスがエースとイチャラブ

遅れて申し訳ありませんでした。
<(_ _)>

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