続き→ トップへ 短編目次 ■緋と藍の時間6 ※R18 「っ!!」 瞬間、騎士の手が離れる。 そしてユリウスの腰をつかみ、いっそう激しく打ち付けだした。 「ユリウス、もっと名前、を……」 「エース……エース……っ……」 震えるような快感に、たまらずに名を呼ぶ。 そのたびに応じるように騎士は快楽をくれた。 だが、すがるように浴槽にしがみつき、ユリウスも限界だった。 何とかこらえていたが、ひときわ強く穿たれたとき、 「――――っ」 声が浴室にはじけ、湯に白濁したものが放たれた。 「く……っ……」 そして内側にも、大量の生温い何かがほとばしるのを感じた。 「はあ……はあ……」 浴室に静寂が戻る。 身を震わせ、快感の余韻にひたっていると、騎士がゆっくりと出て行くのを感じた。 「ん……」 残りの××を後ろにかけられ、ユリウスは少しムッとして振り返る。 「ユリウス」 そこに騎士の笑顔があった。 緋の瞳の、精悍な青年。 自分を抱き寄せ、抱きしめ、笑う。 その笑顔にどこか安堵する。 そして視線が重なり……ユリウスは目を閉じた。 そして唇に、暖かい感触を抱いた。 「ユリウス、また身体を洗ってやるから、一緒に風呂掃除しようぜ」 濡れた藍の髪に手を滑らせ、エースが悪びれなく笑った。 「断る……おまえのせいだろう」 そう返した声は、自分でも分かるくらいに笑っていた。 ………… ………… 抱きしめられる。暖かい。だが、自由に動くことを許さない程度の力で。 「ん……」 「ユリウス……」 こちらの長い髪をすき、指に絡め、エースは何度も口づける。 「ん……ぅ……」 角度を少し変え、舌を差し入れられる。唾液の絡む音が響き、こちらを抱きしめる エースの手も、背中から下へ下りていく。だが、 「エース、部屋の外は……」 眉をひそめて言うと、 「大丈夫、大丈夫、誰も来ないって!」 信用のならない笑顔で断言された。 今、自分たちは部屋の外にいる。大小の歯車が目まぐるしく回る変な空間だ。 エースはその階段に座り、ユリウスはその膝にまたがるようにして座らされている。 外にいる理由は、気晴らしのためだったと思う。 何しろ、部屋でどれだけ『した』か分からない。 時間帯がどう変わろうと、床で、ソファで、ベッドでと、身体をつなげている。 エースは、ひどくするときもあったが、優しいことも多かった。 しかし、相変わらず何も思い出せない。 どうやら自分は大きな塔の中にいるらしい、とは分かった。 だがエースは何か問うても大抵ごまかし、塔を訪れる客もいない。 ユリウスにとって世界は、この塔とエースだけだった。 「ユリウス、キスだけで反応するなよ」 身体を密着させて抱きしめあい、こちらの反応が丸わかりのようだった。 「……おまえもだろう」 階段に座るエースのズボンの付け根は、見間違えるはずもなくハッキリと生地が 持ち上がっている。 「ん……」 無意識に自分の×××をエースの膨らみに擦り合わせる。 厚い生地越しに、硬い熱を感じ、気がつくと勝手に腰を動かしてしまっていた。 「ユリウス。外は嫌なんじゃないのか?いやらしいよな」 苦笑しながらエースも、ふざけるように腰を動かす。 「ん……」 「…………」 歯車の動く音に、吐息が二つ混ざり合う。 最初はふざけ半分だった息も、次第に乱れていく。 エースの××は確実に硬さを増していた。 「ユリウス……っ」 ついに我慢出来なくなったのか、エースがユリウスの服に手をかけた。 そこで、ユリウスも少し我に返る。 「その……エース、やっぱり、部屋に戻って……」 「自分から誘っておいて?ずるいよな、ユリウスは」 意地悪く笑い、エースはユリウスのベルトに手をかけた。 「あ……く……っ……」 下から突き上げられ、イキそうな身体をどうにか抑える。 「ユリウス。出してもいいんだぜ?」 「う……るさい……つ、づけろ……」 下で笑う騎士を睨むと、『はいはい』と笑われ、また突き上げられる。 結局、部屋の外で強行された。 階段の踊り場あたりに場所を移したが、それでも外だ。 しかも自分の服は全て脱がされている。 エースは自分の前をゆるめた程度なのに、ユリウスの服は階段に散らばっている。 「もっと、足、大きく開いてくれよ、ユリウスの……みたい……」 「……馬鹿が……」 それでも言われるまま足を開き、上を向く××を晒してしまう。 手をのばし、それへの愛撫を始めながら、 「何か、ユリウスに襲われてるみたいだ……興奮、するよな……」変態が、変態そのもののことを言う。 そしてまた腰を動かし出した。 こちらが小さいせいか、この体勢は、エースには全く苦ではないらしい。 「あ……ああ……ぁ……っ……」 抑えようとしても、下から抉られ、腰を落とされるたびに快感の声が出る。 最初は痛いとしか思えなかった行為のはずなのに、今はただ目の前の男が欲しい。 「はあ……あ……」 エースの上で勝手に腰を動かし、大きく身悶える。 「ユリウス……!」 「エース……ああ……もっと……」 汗が落ち、肌の熱がさらに上がる。 歯車の音とエースの息。つながった箇所から響く卑猥な音。 小さな窓から差し込むのは昼の陽光。 ただ快感だけを求め、目を閉じ、必死に腰を動かした。 「……ユリウス……ユリウス……っ」 「エース……もう……っ……――――!」 瞬間、内にぶちまけられ、声が出た。 背を大きくのけぞらせ、激しい悦楽に身を震わせる。 「はぁ、はぁ、はぁ……はぁ……」 エースの××が内側でけいれんするのを感じ、大きく息を吐く。 薄めを開けると、こちらを見るエースを目が合った。 「ユリウス。一緒に風呂に入ろうぜ」 「……ああ」 浴室でまた襲われるだろうが、いつものことだ。 それから部屋に帰り、また……。 ――このままで、いいのだろうか。 フッと不安が胸の時計をかすめた。 自分の面倒は何もかもエースが見てくれる。 だが何か、何かとても重大なことを忘れている。 そんな気がした。 6/10 続き→ トップへ 短編目次 |