続き→ トップへ 短編目次 ■緋と藍の時間2 ※R15 薄暗い塔の一室に声が響く。 「止めろ……っ!離せ……!!」 床に押さえつけられ、ユリウスは手足を振り回し必死に抵抗する。 「ユリウス。暴れると後がキツイぜ?」 だがのしかかる騎士は、むしろ抵抗を楽しんでいるようだった。 手近な布で易々とユリウスの両腕を縛りつけ、自分の身体で両足を押さえつける。 そして赤いコートのボタンを外し、下の素肌をあらわにさせた。 「……っ」 黒い服の男が、悪魔のように笑う。 こんな笑い方には覚えがある。彼はこちらの下半身を眺め、 「コート一枚だと脱がすのが楽でいいなあ。な?ユリウス」 言われたところで、同意できるはずがない。 一瞬でも、彼を恩人だと思った自分が呪わしい。 「ん……っ……!」 伸ばされた騎士の手が、胸に無遠慮に触れた。 思い出したくも無い、だが覚えのある刺激に、全身に嫌悪が這い上がる。 「あはは。小さいと分かりやすいな。嫌そうな顔してるぜ?」 騎士の手が、こちらの下半身にのびていく。 「や……やめ……っ!」 両足を閉じようとしたけれど、その前に騎士の身体が、間に割り込んだ。 「良い子だから暴れるなよ。ユリウスのために言ってるんだぜ?」 「――っ」 敏感な箇所を無遠慮につかまれ、背筋がはねる。 「あれ?全然反応してないな。ほら、気持ちよくないか?」 騎士は、手を動かし××を刺激してくる。 だがユリウスは恐怖がこみあげ、反応どころではない。 「ふうん……」 すると騎士が、少し身体を起こす。 「!!」 両手が自由になったが、抵抗を再開する間も与えられず、 「ジョーカーさんの後だけど、まあいいか。シャワーには入れたしな」 そう言ってユリウスの両足を大きく開かせた。 ××を騎士が眺めているのを見て、羞恥と恐怖で真っ赤になる。 「や、止めろ……!」 すると騎士は含みありげにニヤリと笑った。 「俺を優先してもいいけど。俺はユリウスが大事だからさ。 だから、ユリウスにも気持ち良くなってほしいんだ」 「――っ!」 拒絶の言葉を紡ぐ前に、騎士の口が、自分の××を咥えた。 「あ……や、やだ……」 自分の大切な箇所を生ぬるい粘膜に包まれ、ゾクッとする。 身体の奥から、何か熱い物がこみあげてくる。 二人の男たちは、自分にあまりこういうことをしなかった。 「ダメ……止め……っ……」 騎士の頭を精一杯の力で殴り、髪を引っ張る。けど、騎士はビクともしない。 「ん……ん……やぁ……っ」 声に嗚咽が混じるまで時間はかからない。 「ん……はは、気持ちいいんだなユリウス」 根元まで丁寧に舐められ、強弱をつけて吸われ、すぐに抵抗が弱まった。 「あ……あ……っ……」 息がさらに荒くなる。 汗が身体にうっすらとにじむ。 窓からは陽光が差し、薄暗い部屋は乱雑に散らかっている。 その床で、大きな騎士に押さえつけられ、どうすることも出来なかった。 両腕をいましめる布は、いくら力をふりしぼっても破れる気配も無い。 「ダメだ……止めろ……っ」 涙声で懇願するが、むしろ騎士の口の動きが速くなった気がする。 限界まで足を開かせられ、さらに奥まで咥えられる。 「あ、あ、ああ……っ」 熱い。恥ずかしい。でも熱い。限界が……近い。抑えられない。 だが騎士は気づいているだろうに、顔を離すことなく行為を続けた。 「止めて……離して……もう……出る……」 離すよう懇願したつもりだった。 だが騎士は逆に、解放を促すように、さらにキツク吸う。 「ん……ん……っ……」 先走りを丁寧に舐めとられ、騎士の喉が上下するのが見えた。本当に限界だった。 「ダメ、止め……我慢、できな……――っ!」 瞬間に視界が真っ白になる。ユリウスは大きな声を上げて達した。 「あ……はあ……あ……」 足を解放され、硬い床に倒れ込む。絶頂の脱力感に、薄い胸を上下させた。騎士は それでも自分の上にかがみ、最後の一滴まで丁寧に舐めとってから、やっと顔を離す。 「やっぱり小さいと早いな。でも、可愛い声だったぜ」 口元をぬぐい、そう言って笑った。 「じゃ、次は俺の番だ」 その笑顔の意味は、口に出されなくとも分かった。 「…………」 顔を強ばらせ、首を左右に振る。絶対に嫌だ。 「ふうん?」 騎士が少しだけ目を細める。 背筋がゾクッとする。この笑顔のまま、この男は自分を刺し貫くのではないか。 一瞬だけ、そんな錯覚にとらわれた。騎士が手をこちらの顔にのばす。 殴られるのではないかと身構えた。だが騎士は微笑んで頬を撫でてくる。 「震えてるぜ?ユリウス。大丈夫。俺は優しい騎士だから、弱い者の味方だ」 そしてグッと顔を近づける。 「言うことを聞いてくれてる限りはさ」 従順になるか、力尽くで従わされるか。 言いたいことは嫌でも分かる。 あの悪夢のときのように、殴られるのも虐げられるのもご免だった。 2/10 続き→ トップへ 短編目次 |