続き→ トップへ 短編目次 ■白と黒の時間4 「っ!」 衝撃で危うく噛むところだったが、何とか押さえた。 含まされたモノはすでに先走りのものを零していて、それが舌に触れ、嫌でも味が 染みる。今すぐにでも吐き出したいが、ジョーカーはユリウスの頭をしっかりと 押さえ、反応を見ている。だがどうすればいいのか。開けたままの口が苦しくて 生理的に出た涎が口の端をつたった。 「ジョーカー、ユリウスが困ってるじゃないか。もう少し優しくしてあげなよ」 「っ!!」 いつ起きたのか。ベッドで寝ていたらしい、もう一人のジョーカーが、ソファの脇に 立って笑っていた。彼もまた道化服ではないシャツ姿で、昼間のように微笑んでいる。 「俺に痛めつけられる前に記憶を戻してあげようとしたの?まあ一緒に自分の欲求 も満たしてもらおうとか図々しい考えじゃ、そりゃあ失敗するさ」 「うるせえな。こいつがこんなでいられると調子が狂うだけだ」 ジョーカーは見られていることに頓着していないらしい。 そして、つかんだ手でユリウスの頭を動かしだした。くぐもった悲鳴を上げると、 「ジョーカー。ユリウスが小さくなってるって忘れてるんじゃない? そんなに乱暴だと、ユリウスの喉奥を突いちゃってお互い危険だよ?」 そう言ってユリウスの脇にしゃがみ、 「ユリウス、早く終わらせたかったら、こうするんだ。まずね――」 『やり方』をご丁寧に説明してくれる。 無理やりこんなことをさせられ、相手を喜ばせるなどごめんだったが、苦しさが 屈辱と羞恥を上回り、ユリウスは言われたとおりにする。 「ん……」 震える両手でジョーカーのモノをつかみ、舌をつかい、音を立てて頭を動かす。 すぐに反応があり、先の方からさらに汁が垂らされ、つかんだモノも硬さを増す。 「畜生……もっと早くやれよ、時計屋」 「うまいじゃないか。そういうところは小さくなっても変わらないね」 「犬によくしつけられてるからな。いや、犬が飼い主になるのか?こっち方面じゃ」 またワケの分からないことを言い出される。あふれそうなものを、喉を鳴らして 何度か飲むが、それでも足りずに口の端から零れて服や胸を汚す。体勢が辛く、 ソファについているとはいえ肘も痛い。涙をにじませながら耐えていると、 「っ!!」 「おいジョーカー。何してんだ、てめえは」 見ていた方のジョーカーが、横からユリウスの身体に触れてきた。 「何って……痴漢?イタズラ? 君だけが気持ちいいなんて、ユリウスが可哀相だろ?」 「ったく、いつも、いつもおまえは……」 「ん……んん……」 首を振って拒否を伝えたつもりだが、むしろジョーカーの動きはしつこくなる。 身体をつたうジョーカーとユリウスの体液を指にからめ、胸の突起や下半身に 擦りつける。敏感な箇所を執拗にいじくられ、奇妙な気分になり集中出来ない。 生温かく粘ついたもう一人のジョーカーの指が下半身を這い、後ろの口まで伸びる。 思わず身体をのけぞらせると、 「おい、ジョーカー。てめえ、まさか入れる気じゃ……」 「あはは。今はしないさ。ちょっと思い出さないかって俺も協力しようと」 「どうだか……」 だが湿った指は後ろの周囲を探り、背後から刺激する。 ――確か、前にも誰かにこれと同じことを…… ふいに、何かを思い出しそうになった。それは一瞬のことで、すぐに霧散した。 だが思い出しかけた『何か』は自分の身体に反応だけを残していった。 「ユリウス。今の気持ちよかった?ちょっと起っちゃって、可愛いなあ」 「っ!」 からかうように言われ、顔が赤くなったのが分かった。 だが苦しいさなかに与えられた快感は蜜のように蠱惑的で、もっと欲しくて身体を 動かしている自分がいる。 「くそ。俺には何の反応もしなかったのに……」 「あはは。技術力の差ってやつじゃない?ほら、自分から腰を振ってねだってるよ」 「気にくわねえな。おい。サボるなよ。口も動かせ!」 乱暴に言われ、頭を叩かれる。下半身に意識を集中していたユリウスは怖そうな 相手に気を戻し、何とか早く終わらせようと舌を動かした。 だがその間も下をイタズラされ、自分でも反応が強くなっているのが分かる。 「はあ……はあ……くそ……」 咥えさせられたモノは限界寸前で、ユリウスの頭をつかむ手も痛いくらいの力だった。 「どっちが先にイクかな。ほら、ユリウスがんばって」 何をどういうふうに……とは考えるのも馬鹿馬鹿しい。とにかく終わってほしい。 ユリウスは唾液と混じったジョーカーの体液を飲み干し、さらに吸った。 「時計屋……っ!」 その瞬間、喉の奥に大量の何かが放出される。顔を離したかったが、ジョーカーに 押さえられて動けない。ジョーカーはゆっくりと痙攣して最後の一滴まで口の中に 放つと、やっと手を離した。 ユリウスの喉元や胸は飲みきれなかった白いものでドロドロに汚れている。 口もとと涙をぬぐい、嗚咽を必死にこらえていると、 「ジョーカーに先に行かれちゃったんだ。じゃあ罰ゲームだ。後は自分でやろうか」 ふいにもう一人のジョーカーが解放されたユリウスを引き起こし、ソファに座らせた。 「……?」 「ほら、早くしないと」 「……っ!」 強引に両手で自分のモノを握らされ、相手の意図が分かってしまった。 すぐ両手を離し、相手を睨み左右に首をふるが、 「君だってそのままじゃあ辛いだろ?ちゃんと出来たら、きれいにしてあげるからさ」 4/9 続き→ トップへ 短編目次 |