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■森での出来事・上

※R18

「それじゃあ、始めようぜ」
そう言って騎士は懐から、何かを取り出した。小さな瓶だった。
――もう××するつもりか?
腹いせに苦痛だけを与えるつもりか。前戯も何もなく、気の早すぎることだ。
激痛を前に出来る抵抗もなく、ユリウスはただ唇をかむ。
だが騎士はその小瓶を口につけ、一気にあおると、突然ユリウスに口づけた。
「ん……っ!!」
口を閉じようとしたが遅かった。液体を口移しされ、反射的に飲んでしまう。
吐き出そうにも、騎士は強引に頭をかき抱き、離してはくれない。
今ならためらわず舌を噛んでやれるのに、こんなときだけ悟ってか、騎士はただ唇を
重ねるだけで、舌を入れてこない。
ようやく騎士が腕をほどいたとき、すでに液体は身体の奥深くに落ちていた。
「げほっ、おまえ、いったい何を……っ!」
「ん?ほら、サーカスって人が集まるからさ。
あまり見かけないものも扱ってるだろ?」
「だからどうした……」
嫌な予感を覚えて問いただすと、騎士はニッと笑い、
「ユリウスへのお土産。トカゲさんの前で使おうかと思ったけど、今でいいよな」
「貴様……っ……ん……」
身体が不自然な速さで熱くなっていく。何の薬だったかはもはや明らかだ。
「騎士……っ」
「はは。ユリウス、すっごくいい目してるぜ。頬を赤らめて、可愛いよな」
確かに顔が熱い、いや身体全体が。特に一点が狂いそうだ。
必死に理性で押さえようとするが、欲望が後から後から溶岩のように噴き出る。
「この、××××が……!」
騎士はユリウスの頬に手を当て、息がかかる距離まで近づいた。
また唇を重ねるつもりかと思っていたら、彼は低い声で、
「で、ユリウスにとって――今の俺は何?」
「……知人だ」
抱きしめ、押し倒して好きにしてやりたい衝動を抑える。
だが堤防は決壊寸前で、あとどれだけ持つのかさえ定かでない。
騎士はユリウスの苦笑し、
「まったく、俺って不幸な男だぜ。すぐ道に迷うし、ユリウスは浮気者だし……」
そう言いながらユリウスのシャツをつかみ――ボタン全てを、一気に引きちぎった。

「く……っ」
続いて騎士はユリウスのベルトを外そうとし、普段と違う服だからか、
「あれ?えーと、ここがこうで……ああ、面倒くさいなあ」
嫌な音をたてて、ベルトの留め金をつけた部分が引きちぎられる。
その握力に、さすがにユリウスも息を呑んだ。
騎士はちぎったベルトを草むらに放り投げながら、頭をかく。
「うーん、ちょっと調子悪いぜ。さすがに浮気を公然と開き直られるとなあ」
言葉が出ない。喉まで出かけた言葉が拡散するほど身体が熱い。
そして騎士は手套をはずし、素の指でユリウスの胸に触れる。
「う……」
それだけで声が出た。

先ほどまで何かの理由で騎士を拒まなくてはいけない気がしていた。
だが今はそんなことが頭の片隅に追いやられ、全く思いだせない。
何もかもどうでもいい。
目の前のこの男が欲しい。

「何か変な感じだな。でもユリウスに性的な目で見られるの、悪くないぜ」
「そういう妙なことを……ん……ん……」
爆発しそうな熱の行き場がなく、ユリウスは髪を振り乱してもがいた。
ろくに触れられてもいない股間は立派に存在を主張し、すでにズボンの布地まで
湿り気を帯びている。場所を顧みず、自分で慰めたくとも騎士が許さない。
「く……早く……」
「早くって、服をちょっと脱いだくらいでほとんど何もしてないだろ?」
「頼む…………」
必死に求めると、騎士は苦笑して、ようやく下の布地に触れる。
「あーぐしょ濡れだなあ。もしかして中で一回イッてる?」
「そんなわけ……」
だが膨らみをすっと撫でられただけで達しそうになる。
「あ……ぅう……」
何もしないうちに快感を放出するのが嫌で、歯を食いしばって押さえている。
すると、騎士はニヤリと笑い、上をどく。そしてユリウスの横に座った。
「じゃあさ、俺は何もしないから、ユリウスが上になってくれよ。
もちろんユリウスが俺の中に入れる展開じゃあないぜ?」
「……分かった」
ためらいもなく受け入れる。衝動を抑え、起き上がると騎士の前に膝をついた。
だがほとんど何もしていない騎士はユリウスに比べ冷めているようで、身体は
あまり反応していないようだった。
「はは。ごめんごめん。俺はまだちょっと役に立たなくてさ。
な、その気にさせてくれよ?」
「くそっ……」
完全に足下を見られている。
苛立ちを押さえ、もどかしい手つきで騎士のズボンのベルトを外し、ファスナーを
下ろした。そして震える手で騎士の××を出し、ゆっくりと口に含んだ。

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