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■忘れた話14

※R18注意

――え?ええ?
疑問を口にしようとわずかに空いた隙間から……ええと、その、舌が入り込む。
「ん……」
こちらが混乱している間に異物が勝手にこちらの舌を捕らえる。
「ん……ん……っ!」
ファーストキッス?とかときめいている場合じゃない。ブラッドの手が……
「ブ、ブラッド、胸に手が当たって……」
「ああ、安心しなさい。今回は誰も入ってこないようにしている。これで安心だな」
へ?『今回は』?
しかし私は状況が飲み込めてきて、ようやく暴れ出す。
「ブラッド……あなたのことは尊敬してますけど……こんな……やめて……」
「どうせ君のことだ。無理強いをすれば記憶が元に戻るというカラクリだろう?
それはそれで構わないが、些細なものだろうとゲームに負けるのは屈辱だ……」
意味不明なことを言い、ブラッドはもう一度唇をふさぎ、舌を差し込んできた。
「ん……ふ……っ……」
ブラッドの舌が唇の中をじっくりと舐め上げていく。
舌を通して唾液が送り込まれ、生理的な反射で飲み込んでしまう。
「んー……んん……」
私の舌が見つけられ、執拗に絡みつかれる。
頬が熱い。何で優しいブラッドがいきなりこんなことを……。
受け入れるべきじゃない。
嫌いでは無いけど告白したわけではないし、恋人ではないのだから。
けれど唇が重ねられるたび、ブラッドの服をつかむ私の手が徐々に弱くなっていく。
そしてキスを続け、私の舌を貪りながら、ブラッドの手が動きを再開させていた。
――抵抗、しなきゃ……。
ボタン一つ外されるたびに義務感のように思う。
でも身体は心を裏切って、逆にブラッドの背中に手を回す。
「素直なことで嬉しいよ、お嬢さん」
ブラッドは笑い、前をはだけた。
「――っ!」
他人に胸を晒した恥ずかしさでぎゅっと目をつぶる。
「キスだけで興奮したか?もう、感じているな」
低い声にゾクリと背筋を何かが走る。思わず目を開けるとブラッドが私の胸に手を
のばすところだった。慌ててブラッドの背中から腕を放し、
「だ、ダメです……やめて……」
と必死に押さえるけれど、
「お嬢さん、こちらを忘れてはいけないよ」
「――ぁ……っ!」
下の谷間をつうっとなぞられ、ビクッとのけぞる。
「服越しにも熱を感じるな。そこまで待っていてくれて嬉しいよ」
「ち、違います、私は……あ……や……っ」
指の腹で一点を刺激された。そこを刺激されたとき、全身が震え、何か熱いものが
奥から湧き出すのを感じた。そして胸に舌の動きを感じる。
時折軽く噛まれ、全体をなぞるように舐められる。そのたびにワケの分からない感覚
が身体全体を走り、自分の声とは思えない変な声が喉からとめどなく出た。
「下はもう服に染みてきたな。私も久しぶりで長くは我慢出来ない。下ろすぞ」
「ま、待って……!」
でも身体は半ば自分の意思で動くことは出来ず、下をずり下ろされた。
「ダメ……」
「何が。こんなに大きくして……」
「やあ……」
両膝を持って足を大きく開かされ、真っ赤になって息が震える。
でも息も整える暇無く、指による愛撫が再び始まった。
「だ……いやあ……あ、ああ……」
耳に変な音が響き、自分のアソコから生じている音だと分かり、また熱くなる。
「ナノ、そんなにこすりつけないでくれ。もう少し慣らしたらあげるから、
いい子で待っていなさい」
苦笑され、自分から腰を動かしてブラッドの指に下半身を押しつけていたと知った。
「はい……あ……」
我慢が出来ない、早く下に熱いものを感じたくて仕方ない。
「はあ、はぁ……ふ……や……」
愛液をまとう指が中に入るのが分かった。でも自分の奥は抵抗どころか、嬉しがって
さらにはしたない汁を零すだけ。
「そこ……ばっかり弄らないで……意地悪……」
目に涙を浮かべ、懇願すると、ぐちゅぐちゅと動いていた指が引き抜かれる。
「君も準備が出来たようだな……そろそろ……」
ブラッドが唾液を引いて私の胸から顔を離し、身体を起こして前を緩める。
私は期待と不安を半々に、ブラッドの……がヒクヒクと征服を待つ場所に押し当て
られるのを感じていた。
「ブラッド……来て、ください……」
「ナノ……行くぞ……」
ブラッドにしがみつく。瞬間に、自分のものとは思えない大きな声が出た。
「あ、あああ……ああ……あ……っ!!」
歓喜に仰け反り、ブラッドにますます強くしがみつく。
「熱いな。もうこんなに締めつけて……動くぞ……」
「はい……あん……ああ……あ、あ……」
穏やかな声と裏腹に、乱暴に激しく突き上げられる。
――あれ、初めてって痛いはずじゃ……。
心の奥で疑問符が灯る。でもそんな違和感は際限なく与えられる快感の前にどこかへ
行ってしまった。

「ブラッド……ブラッドぉ……!」
腰の動きは強くなり、気がつくと自分も合わせて腰を振っている。
内をかきまぜる卑猥な音が大きくなり、熱くて熱くて耐えられない。
「ダメです。もう……いっちゃう……」
「構わない……ナノ……ナノ……っ」
「や……あ、あああ……っ!」
内に吐き出される。視界が白く染まり、何もかもがどうでもいい。
絶頂感に身体を震わせながら、私はブラッドの名を呼び続けていた。

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