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■そしてやられるだけの日常・上

※タイトル通りの内容&オチです。
※キャラ崩壊気味なので苦手な方はご注意下さい。

※R15

皆様こんにちは。
私、ナノと申します。
色々あって不思議の国にやってきました。
最近は、自分が記憶喪失だったということすら忘れかける鳥頭です。

さて、身一つで異世界に来た私。
チートも何もございません。無双や知識チートも不可能です。
総愛され体質になりましたが、何か良いことがあったのでしょうか。

コホン。私はこの世界に来た当初は無職……もとい、ノースキルでしたが、
なんちゃってカフェを開業出来る程度には、紅茶と珈琲の腕を上げました。
珈琲や紅茶の愛飲家が多いこの世界では、意外に有効なスキルです。
私は異世界での自立を目指し、アレな面々に振り回されつつ頑張っております。

そして、ジョーカーの国です。

…………

「夏と言えばホラーハウスだぜ、ホラーハウス!!」
そのアロハシャツの男は、ウクレレ片手に力説する。
「今回もこわーくしたぜ!見ていってくれよ、ナノ!」
プールの中ではピアスがヒッと毛を逆立て、プールに潜ってしまう。
でも逆にボリスは楽しそうだ。私に、
「ナノ、ナノ!これから俺と行こうよ、絶対に何もしないからさ!」
「お断りいたします」
確実に何かすると宣言され、断る以外にあるまい。

「ええ?行ってこいよ。本当にすごいんだぜ?
子供だましじゃねえんだ。絶対に怖いって!」
ゴーランドさんは、ボリスの悪巧みに気づいていない。
私はアイスキャンデーをかじりつつ、
「とにかく、行きたくないですよ」
ホラーハウスより怖い化け猫と、カート同乗など。
するとチェシャ猫はますます目を輝かせ、
「行こう行こう!俺がついてるから大丈夫だって!!」
「行かないです、絶対!」
アイスを棒ごと歯でへし折り、宣言してやった。

…………

「ボリス、どこ触って……か、監視カメラとかあったら……」
「あるわけないじゃない。そんなの」
ホラーハウスのコース中のカートの中。
暗闇をいいことに、ボリスは嫌がる私に手を伸ばす伸ばす。
時間帯を選んだのか、たまたまなのか、私たちが外で並んだとき後ろにお客さんはいなかった。
入ってからしばらく経つが、後続のカートが来てくれる気配はない。
「やだ……どこを……」
ボリスの手はしなやかに動き、私の服の中に忍び込もうとする。
「っ!ボリスっ!!」
外では決して触ってはいけない場所を触られ、私の声も大きくなる。
「そう?そこまで嫌がってもいないと思うけど」
「……っ!!」
ゆっくりと侵入され、一点をくすぐられ、息を呑む。
くそう、私の身体ぁ!

……勘違いしないでいただきたい。
信じて頂けないだろうが、決して私は×××ではない。
断じてない!!
しかし私が『誰からも愛される』この世界。
何かね、とりわけしつこい一人を含む、何人かの方に開発されちゃってね。もうですね。HAHAHA。

「ボリス。でもこんな場所は……」
今は大丈夫でも、いつ後続のお客さんが来るか分からない。
そうでなくとも、戻らない私たちを不審がり、従業員さんが来るかもしれない。
そうしたらボリスは私に優しくキスをし、
「大丈夫、ナノの嫌がることはしないよ」
嫌がる私を無理やりホラーハウスに連れてきたケダモノは、そう言って微笑み、すぐそこの空間に扉を作ったのだった。

…………

え?その後の経過がどうですって?

「ナノ。そんなに、締め付けないでよ……俺……っ!……」
「ボリス、ダメ、激しく、しないで……もっと……やあ……っ」
窓の外は真夏の遊園地。
空調のきいた前衛的な部屋で、運動にいそしむ私たち。
実に爽やかな夏の光景である。
「ボリス……私、我慢、でき……」
シーツをつかみ、涙をこぼすと、
「ナノ、大好き……」
うなじにキスをし、ボリスは必死に耐える私を抱きしめ――。

…………

「ナノ、またねー!」
遊園地の入り口で上機嫌に手をふるボリス。
「おいボリス!ホラーハウスにカートを置き去りにしてんじゃねえよ!
 他のとこにいくなら、従業員に一言言ってから――」
私に手を振りながら、ボリスを叱るゴーランドさん。
何が起こったか気づいた気配はない。

私は石鹸の匂いのする身体で、遊園地を後にしたのだった。

…………

ジョーカーはトランプを切りながら言う。
「あのさ。分かってると思うけど、サーカスはそう言った場じゃないんだよ?」
「分かってますよ、死ぬほど分かってますから!
この暴行魔を止めていただけませんか!?」
空は快晴。場所は森の中のサーカス。
私は季節を変えてもらうために来た。
……そして、テントの真ん前で、真っ昼間から襲われている。

「だってさあ。サーカスから出てきて、猫君が上機嫌。
君は石鹸の匂いだろう?俺を誘うためにそこまでするとか、悪質だよね」
「誰が誘うか!それこそ本当の×××じゃないですか!
それに後をつけて襲ってくるあなたの方が悪質でしょう!!この×××××!!」
「あははは。女の子が汚い言葉を使うもんじゃないよ、ナノ!」
エースは笑いながら、私を草の上に押し倒し、服に手をかけてくる。
「ジョーカー!助けて下さいよ!このアホを何とかして下さい!!」
するとサーカスの団長は面倒くさそうに立ち上がり、
「まあ男の本音としては見ていたいけど、今ここは俺の領土だからね。
 そういった場所に使われるのはちょっと……」
前半、余計なことを言いつつ、ジョーカーはこちらに近づいてくる。
しかし私の胸元をはだけさせながら、エースは笑う。

「じゃ、ジョーカーさんも混ざる?」

ピタッ。
ジョーカーの足が止まる。私は真っ青になり、
「……ジョーカー?――て、エース、止めて!本当に止めて!!」
肌着をたくし上げられ、本気の悲鳴が上がる。
けどエースは私の胸をつかむ。
そしてジョーカーに、私の身体を見せるようにし、
「ジョーカーさん。この子の悲鳴、ちょっとそそるだろ?」
「あー。そうだね……」
サーカスの団長はしばし空をあおぎ、何か迷っている風。エースは、
「腕、抑えててくれる?ジョーカーさん。さっさと脱がしちゃうからさ」
「……了解」
すっとジョーカーは私の頭側にしゃがみ、私の両腕を押さえる。
「!!」
優男に見えてもさすが男性というべきか、両腕を全く動かせなくなった。
「ジョーカぁーっ!!」
涙目な私にジョーカーは、上から優しくキスをし、
「大丈夫だよ。あとでサーカスのシャワーを使わせてあげるから」
「そういう問題じゃないー!!」
「もう少しシチュエーションを楽しみたいけど、早く愛し合いたいからなあ」
エースは笑い、下着ごと服を脱がし、私の下半身を陽光に晒したのであった。

…………

……え?内容が知りたいと?

「ン……や……んぐ……」
「ほらナノ。早く終わってほしかったら、もっと舌を動かして」
私の涙を指ですくい、邪悪な剣士は笑う。
「本当にサーカスは、こういう場所、じゃないんだけど、ね……」
激しく突き上げながら悪魔も笑う。
私の身体は、白濁した何かを全身にぶっかけられ、凄まじいことになっている。
もうね。どこの18禁漫画だよという有様でしてね。
「可愛いよ、ナノ。泣きながら、実は喜んでるところも含めてね」
犯人は笑い、私の口の中に――。

…………

「シャワー、気持ち良かった?次はもう少しゆっくりしていってね」
ジョーカーは、欲求不満が解放されたキラキラした顔で、私に手を振る。
ちなみに犯人の方はすでに出立していない。
私はお土産に渡されたキャンディーを舐め舐め、泣きながら雪道を歩くのであった。

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