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■怒らせた話28

※R18




で、その夜。
「本当に、懲りない子だ、君は……」
私を抱きしめ、首筋に舌を這わせながらグレイが言う。
例によってグレイの部屋で、彼はシャツとズボン姿。私は、えーと……下着一枚。
「異世界に来て長いんです……ちょっとは、たくましくなりますよ」
グレイの鍛えられた身体を抱きしめ、私はため息をつく。
え?何してるかって?

私はまあ、原因はさておき、今回もグレイに多大な迷惑をかけましたし。
グレイは、(いちおう)好きな女性と寝起きしてる。
私が回復し、しかも出て行くなんて言った以上、自制が利かなくなるのは時間の問題
だったわけで……まあ、いつもの展開になったわけです。
「ん……ぁ……!やあ……」
私は仰向けになり、形だけ抵抗しながら、グレイが動きやすいように体位を変える。
うっとりした目で見上げ、微笑み、そっと彼の胸に手を這わした。
すると、それだけでグレイの身体がかすかに震えるのが分かった。
私はちょっと声に出して笑いながら、彼のズボンの、反応しきった場所に手をやる。
「いけない子だ……俺の知らない間に、また上達して……」
「……っ!」
ドサッとベッドに押し倒され、我慢出来ない、と言ったように下着に手をかけられる。
「……や……ダメ……グレイ……ぁ……っ!」
抑えようとしたけど、一気に下まで引き下ろされ、足を大きく広げさせられる。
「やだ……だめ……!」
秘所を晒した恥ずかしさに、両手を顔に当て、うつむくと、
「それも、演技だろう?そうするように教えられたのか?」
……せせら笑われた。信用されてませんなあ。でも何と返そうと考えていると、
「……ん……ぁ……っ!」
大事な場所に舌を這わされ、電流が背中を走る。
「止めてください……あなたが、そんな、こと……!」
本当に恥ずかしくて、グレイの頭を引き離そうとしたけど、逆に両足を押さえられ、
大きく開かされた。でも部屋の明かりは消していない。
自分のものがどれだけ、はっきり見えているかと思うと羞恥心が倍増する。
「いやらしい子だ……ぐっしょり濡らして、男を欲しがって、震えている」
愛液のあふれる場所を、たっぷりと舌でかき回され、より深くねじ込まれる。
「い、いや……!」
イキそうになるのを必死で抑え、快感を受け入れさせられる。
そして、本当に達する寸前、やっとグレイが顔を上げ、私にキスをする。
「ん……ぅ……」
快感と羞恥で涙が出る。私はグレイにしがみつき、必死で舌を絡めた。
唾液と愛液のまじったものが口からこぼれるけど、私たちは構わず貪り合う。
「ナノ……君を……愛している……っ」
そして、グレイが、ズボンの前を開ける音が聞こえた。

「や……あん……やだ……ああ……っ!!」
うつぶせにさせられ、背後から貫かれ、何度も揺さぶられる。
「ぁ……グレイ……もっと……たくさん、下さい……っ!」
強制されてもいないのに、自分から恥ずかしい言葉を言い、腰を動かす。
薄幸の少女から単なる雌に成り下がり、みっともなく求める私に、
「本当に、君という子は……」
と言いつつも、グレイは煽られたようにさらに激しく私を貫く。
「んぁ……や……!ダメ……イッちゃう……やあ……ああっ……!!」
声を張り上げ、全身を震わせ、私は絶叫した。
「ナノ……俺も……ナノ、ナノ……っ!」
何度も私の名を呼び、グレイが渾身の力で貫いた。

「――――っ!!」

喉が裂けそうに絶叫して、私は絶頂に達した。

「はあ、はあ……」
ひくひくと全身を震わせていると、後ろに生暖かい熱。
「く……」
どうも後ろに放たれたらしい。私を思ってのことだろう。
でもグレイが出て行ったことを、ちょっと物足りなく思っていると、
「ナノ……」
汗ばんだ背中にキスの感触。
そして後ろをぬぐってくれる気配がした。
「そういえば……」
私の処理をし、自分の始末をしているグレイに、私はぼんやりと言う。
「ん?」
グレイは顔を上げ、私を見た。
「何かあそこで教えられたこと、忘れちゃったみたいなんです」
男性を喜ばせることに特化した知識。それがスッポリ抜け落ちちゃってます。
こっち方面では物覚えがいいって言われてるのになあ。
悪い記憶ごと、ナイトメアが消しちゃったんだろうか。
「せっかく最高の技術が身についたと思ったのですが……」
ちょっと残念。あれは、ある意味私の『武器』になったと思うんだけど。
「そんな媚びた女になる必要は無い」
グレイはキッパリと否定し、放心状態の私を仰向けにさせ、軽くキスをした。
「俺には、いつだって君が最高の女だ」
そうかなあ。


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