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■薔薇園の昼下がり・下

どこかで誰かが会話をしている。
「本当に、あの薬はすごいな姉貴。いつもは冷静なお嬢さんが……」
「ふふ。だから言ったであろう?次からは十倍の値を払って貰うぞ」
「喜んで払おう。それだけの価値はある」
二人が普通に会話していることさえ、私の羞恥を煽る。
「ダメ……お願いです……あん……」
興奮が収まりきらず、私はついに自分の手を自分の胸と秘所に伸ばし、
「落ち着きなさい、お嬢さん。すぐにもっといいものをあげるから」
「やだ……もっとしたい……です……」
手を押さえられ、子どものように涙を浮かべてブラッドに懇願する。
「やれやれ。仕方のない子じゃ。ブラッド」
「ああ」
「……!!」
突然立たされ、服のボタンを外された。見る間に服を剥がれ、脇に放られる。
下着も下ろされた。糸を引いたそれは重い水音を立てて、敷石の上に落ちた。
靴と靴下まで脱がされると、私は完全に一糸まとわない姿になった。
私はそのまま薔薇園の柔らかな草むらに寝かされた。


肌を外気に晒されたことに一瞬理性が戻ったものの、まだ私の茂みは愛液に濡れて
淫らに光っている。私は女の大事な場所を隠すこともせず、足を開いたまま、涙に
濡れた目で、服を着た二人を見上げていた。ビバルディは私を愛おしげに見下ろし、
「ブラッド、ナノをこれ以上待たせてやるでない」
「分かっている」
姉に促され、ブラッドが前をゆるめるのが見えた。私も理性が薄れるままに、
「ん……ブラッド、はや、く……」
「ああ」
ブラッドが私の上にのしかかってきた。
私はすぐブラッドを強く抱きしめ、深いキスを交わす。
舌が絡み、よりいっそう私は首に腕を回す。
もうこの熱を沈めてもらうためなら、どんな恥ずかしい真似でも出来る。
潤んだ瞳でブラッドを見上げると、彼の目は完全に男の欲望に染まっていた。
「今の君の目を見て、この世界で落ちない男はいないだろうな……」
「女もであろうな。愚弟、早くせよ。次はわらわじゃ」
「わかってる……」
ブラッドが前をゆるめ、彼のモノを外に引き出す。すでに十分に大きくなったそれを。
「ああ……ブラッド……」
「ナノ……」
瞬間、十分すぎるほどに液をあふれさせた場所をブラッドが貫いた。

「あ……ああ……!ああ……!」
待ちわびたものを与えられ、私は腰を跳ねさせ大きくのけぞった。
「あ……やあ……あ……」
「ナノ……ナノ……」
ブラッドがすぐに腰を動かし出す。私もより深く彼を感じるため腰を動かした。
「あ……あ……や……あん……」
貫かれるごとに頭の中が真っ白になる。
私は髪を振り乱し、胸を揺らして、その快楽に耽った。
「ナノ……」

しばらく、互いの喘ぎ声と、いやらしい音だけが響いていた。
陽光差す薔薇の園で、女王に見られ、私は草床を背にブラッドにすがりつく。
私も正気を失うほど溺れているけれど、ブラッドも私を何度も何度も激しく貫き、
奥へ奥へと攻め立てる。卑猥な音が響き、恥ずかしい汁が草むらにこぼれていく。
「ナノ……っ!」
「ブラッド……あ……あ……――っ」
一際激しく腰を打ちつけられ、ついに私は高く絶頂の叫びを上げた。


「ナノ……はあ……はあ……」
ブラッドもゆっくりと私の中から出、草むらに、大量の欲望の証を吐きだした。
「…………」
心身ともに解放された私は、放心状態でぼんやりと空を見上げる。
だけど、それもわずかな間だった。
「ふふ。良い見ものじゃった」
女王が立ち上がった。
「……ビバルディ……」
美しいハートの女王が、汚れた私の上に覆い被さった。
そしてビバルディの細い指が私の胸に触れる。
「さあ、楽しませておくれ、可愛い子……」
私は目を閉じて女王のキスを受け入れた。

…………

…………

「気のせいか、私より姉貴の方がお嬢さんが激しかった気もするが……」
「ふふ。男より女の方が、女が悦ぶ場所を知っているからな」
薔薇園には風が吹き、むせかえるような薔薇の芳香を運んでいる。
美しい姉弟は園の一角に座り、薔薇を愛で、私の話をしている。
私は未だ服を着せてもらえず、全裸でブラッドの膝にもたれていた。
ビバルディは犬を撫でるように、私の頭を優しくさする。
……だが私は相変わらずわきあがる欲望を抑えられず、羞恥と戦いながら自分の
秘所を飽きることなく弄っていた。
「あ……ん……」
弄りすぎて真っ赤になった敏感な部分に、なおも指を這わせていると、
「お嬢さん、そういうおねだりは私にしてくれないか?」
「やん……」
ブラッドが向かい合うような形で、膝の上に私を乗せ、キスをする。
私は悦んでブラッドの首筋にすがりつき、待ちきれず濡れた茂みをブラッドの膝で
刺激する。彼は苦笑し、
「やれやれ。ナノのこの嬉しい変化はいつまで続くんだ?」
「あと数時間帯はこのままじゃろうな……まあ元に戻っても記憶は残るから、相当な
修羅場になるであろうな。しばらくの禁欲は覚悟しておくのじゃぞ」
「ならそれまで楽しませてもらうさ。さて、お嬢さん。次は何をしようか」
私は何も考えられず、ブラッドにキスをねだる。もちろん即座に応えてくれる
マフィアのボスに笑顔を向けていると、横からビバルディが、
「こらナノ、ブラッドにばかり愛想を振りまくでない」
ビバルディが私の顔を振り向かせ、キスを重ねてくる。

舌を絡め、美しい二人に包まれ、私はよく分からないまま幸せにひたる。

薔薇園の昼下がりが、永遠に続いてくれることを祈りながら。

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