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■たのしいおにごっこ6

※R18

ユリウスの部屋はいつも落ちついている。
さっきまでの喧噪が嘘のようだ。
「全く……とんだ茶番だったな」
私を安全圏に置いたユリウスは肩の力を抜き、こちらを向いて私の頭を撫でる。
「おまえもいろいろ災難だったな」
「はい。本当にどうもありがとうございました」
私は微笑み、さっそく珈琲を淹れに行った。

…………

「どうぞ」
「ああ」
ユリウスはうなずいて受け取り、目を閉じて飲んでくれる。採点してくれないけど。
「とにかく、この部屋から出ない限りは安全だ。連中も下らない遊びなどすぐ忘れ、
その頃にはおまえの店も元に戻っているだろう。それまで適当に過ごすといい」
そう言って飲み終えた珈琲を私に返し、作業台に向かおうとした。
「あ……」
「?」
そのコートのすそを、私は思わずつかむ。ユリウスは怪訝そうに、
「どうした?欲しい飲料の本でもあるなら、人を使って購入させるが」
「いえ、あの……」
じっと見下ろされ、つい目をそらす。
何でだか分からないけど、何かがもどかしい。
「何だ?アイロン大会なら出ないぞ?」
「いえいえいえいえ!」
さすがにこの期に及んで、最初のネタを引きずるほど芸人じゃない。
でも何をどう言っていいか分からず、私は両手をいじり、もじもじする。
「……ええとですね。その、ええと、ユリウス。あなたはこのゲームの勝者です」
「そうなるだろうな」
つまらなさそうに言われる。
でもユリウスは本当に偶然、私にたどりつき、たまたま運が良くて、すんなり帰れた
というのだろうか。でも敵はあのブラッドたちだ。
帰りに帽子屋ファミリーの妨害が全く無かったのは、決して偶然とは思えない。
ユリウスの到着が一番遅かったし、彼はあらかじめ何らかの対策や根回しをしてから
私を助けに来た気がする。
でもそれについて問いただしても決して返事は返らないだろうけど。
「だから、その……このゲームのルールはまだ有効ですし、あ、あなたには……」
この先を言うのはためらわれ、ずいぶんと長いこともじもじしていた。
でもユリウスは不思議なことに、先を促したり茶々を入れたりすることは一切せず、
私の言葉を待ってくれていた。そして、やっと言えた。

「ですから……あなたには、私を好きにする権利が、あるわけで……」

少しだけ沈黙があった。

「それは、誘っているのか?私に、自分の身体を好きにしろと」

ユリウスからは一切の感情が読み取れない。
まさか肯定したら、呆れた女だと放り出されるだろうか。
でもユリウスは私を守ってくれた。誰とも共有はしないと断言し、私の意思を大事に
してくれた。そんな彼が誰よりも大事だ。愛おしい。
だから迷った挙げ句、返答を変えることは出来なかった。

「……はい」

瞬間、ユリウスにガバッと抱き寄せられ、唇を押しつけられた。

「〜〜〜〜っ!!」
あまりに動きが速くて、一瞬パニックになってしまう。
でもユリウスは私の抵抗など構わず、強く深いキスをし、舌をねじこんでくる。
強引に荒らし回る舌に引き気味に応じていると、なお強く抱きしめられ、身体を密着
させられ……あ、ユリウス……反応早いですね。
と呑気に思っていると、こちらの手をつかまれて彼の……を強引に握らされる。
……この××が。呆れつつ撫でさすっていると、すぐに形が分かるくらいに成長し、
「ナノ……っ」
さらに強く強く抱きしめられ、身体を密着させられる。
何かいろいろ我慢出来なくなったのか、ユリウスは私の手を引っ張り、息が荒いまま
ソファに押し倒す。
「ユリウス……!」
すぐに上からのしかかられ、唇はもちろん、首すじや襟元を舌が這う。
私も息を乱しながらキスに答え、愛しい時計屋の髪や頬に触れた。
「ナノ、もっと……」
うう、もっと触ってくれって?声がいやらしい。あと、そんなに息を切らして服を
脱がそうとしないで。何か襲われてる気分になりますがな。
「ユリウス、ユリウス!」
「ナノ、く……」
大きな手に肩をさらされ、前をはだけられる。素肌の胸に舌を這わされながら、私も
ユリウスの×××に一生懸命触れさすり、何とかユリウスを悦ばせようと必死だ。
でも余裕は与えられず、大きな身体に組み伏せられ、逆に股間に手を伸ばされる。
あ、そこは、えーと……。
ユリウスも気づいたらしい。呆れたように、
「……ナノ。もう布地まで染みているぞ。本当におまえという女は……」
うん。ちょっと衣服まで軽く湿り気が……いや、その、なかなかに気持ち良くて。
ウエスト部から手を入れられ、ぐしょぐしょの××××を長い指が引っかき回す。
「ん……あ……やだ……あ……!!」
濡れて勃起した××××××を乱暴に擦られ、頭が沸騰したみたいに真っ白になる。
「ぐしょぬれだな。強引にされるのがそこまで好きか?」
「そんな……ちが……や……あ……!!」
ろくに返答が出来ない。気持ち良すぎる。
愛液あふれる谷間を指がかき乱し、こちらの胸を舐めながら、ユリウスもはあ、と
息を吐く。そして起き上がり、こちらの下の服をつかむと一気に下ろした。
「ん……やぁ……」
いやらしく、布地が光る糸を引きソファを穢した。
でもユリウスは全くかまわず、私の両膝をつかむと大きく開かせた。

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