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■恋の駆け引きごっこ5

※R18

「あ……い、いや……」
「アリス……」
私の中に自身を埋め込んだユリウス。冷たい汗を流す私を心配そうに見下ろした。
「大丈夫か?やはり中止にするか?」
「だ、大丈夫よ。お、思ってたより、痛くないわね……」
草むらには、つながった箇所からこぼれた、わずかな赤が染みこんでいる。
虚勢を張るけど、本当は今すぐにでも出してほしい。
やはり現実はロマンス小説のように甘やかにはいかない。
ユリウスの×××を生で見たとき、こんなものが本当に入るのか、と身震いした。
でもこれだけ欲しいんだから大丈夫、と受け入れたけど……。
「無理をするな。最初だから少し動くだけで終わろう。耐えきれないときは言え」
そう言われると女のプライドとして、終わらせてほしくない。
「だ、大丈夫よ。もっと激しくしてもいいわ…あ……っ」
軽く動かされただけでも、異物感に内部の筋肉が悲鳴を上げる。
「い、痛……やあ……」
涙を浮かべる私に、ユリウスは優しくキスをした。
そしてあまり激しくはせず、私の苦痛を和らげるため、胸や×××××を愛撫した。
「ユリウス……」
涙がこぼれる。私は、やっぱり彼が大好きだ。

…………

「アリス……アリス……」
少し動くだけ、と言ったわりにユリウスの方が我慢出来なくなってるみたいだ。
私に激しくキスをしながら、腰を抱え、結合を深め、責めを強くする。
「あ……あん……やぁ……ダメ、もっと……」
そして私の声も、艶が混じり始めていた。身体が異物に慣れてくると、じわじわと
新しい快感が背筋を這い上がる。
愛液が勝手にあふれ、潤滑剤となって苦痛を軽くしてくれる。
気がつくと、二人とも獣になり、抱きしめ合って互いを激しく求めていた。
「ユリウス……もっと……ちょうだい……」
「アリス、アリス……っ!」
馬鹿みたいに名前が呼ばれ、ときおり速さを、角度を変え何度も責められる。
私は淑女の恥じらいも何もかも捨て、ただ彼を欲しがり、淫らな声を上げた。
「ユリウス、ユリウス!もっと……ああっ、やああっ!」
「おまえが好きだ。ずっと、どこにも、行くな……」
ユリウスの汗がこぼれる。それさえも大好きだ。
「私も……あなたが、好き……いつまでも時計塔にいるわ……」
涙があふれるのは痛みのためか快感のためか、もう区別がつかない。
愛液がとめどなくあふれ、いやらしい音が絶えること無く響く。
そしてユリウスがいっそう余裕を無くした顔で、さらに激しく打ちつける。
「ああ、あ、や、ダメ……ああっ!」
翻弄されながら、彼の限界が近いことを知る。
そしてユリウスはひときわ私を強く抱きしめ、深いキスをしてくれた。
「アリス……愛してる……」
「ユリウス……私も……や、ああ……あぁぁっ!」
瞬間に頭の中が真っ白に爆発し、何も分からなくなった。

…………

ユリウスは私の髪を撫で、気まずそうに視線を泳がせる。
「す、すまない……ちょっとおかしくなっていたな」
「だ、大丈夫よ。その、すごく気持ち良かったし……」
私はユリウスの膝に頭を乗せている。
裸身にかけられた彼のコートの重さを心地良く感じていた。
というか、頭のリボンはともかく、ソックスと靴はそのままだった。
しかも野外。もしかして結構マニアックな初体験では。
「でも、分かったでしょう?私とブラッドは何もなかったって」
彼の疑いをチクリと刺すと、
「ああ。そうだな。おまえが激しく調べろと迫っただけある」
私が悪いみたいに反論された。でもどっちもどっちなのかな。
顔を上げるとユリウスも私を見ている。いつもの冷たさが取れた優しい顔。
「アリス。おまえが好きだ」
顔を上げさせられ、優しくキスをされる。
「さあ、そろそろ帰るぞ。こんなところにいつまでもいては、風を引く」
「うん……」
まあ確かに帰りたいんだけど……。
私はチラッと草むらの服を見る。ドレスエプロンとワンピースはともかく、下着は
スゴイことになっている。また履くのはちょっと……。
「別に無理に着なくてもいいだろう。身につけたところで、またすぐに脱ぐんだ」
「まあそうなんだけど……え?」
今、何て言った。ユリウスは涼しい顔で、
「夕暮れでよく見えなかったからな。
一緒に風呂に入りながら改めてよく調べないとな」
……まだやりたいんだ、その遊び。案外、気に入ったのかな。
「分かったわよ、もう。好きなだけ調べていいわよ」
ニヤけてしまうのが、何だか悔しい。
そして二人で声を上げて笑いあう。

「アリス、愛してる」
「私もよ、ユリウス」

そしてもう一度キスをする。
私の髪を撫で、微笑むユリウスはとても幸せそうだった。
きっと私も同じ表情をしてるんだろうな。

駆け引きともいえない、恋の駆け引き『ごっこ』は、しばらく続きそうだ。

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