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■閨の会話

※R18

宵闇の時間帯。
カーテンも閉めず、月明かりの差し込むエリオットの部屋に、声が響く。
私はうつぶせにさせられ、ベッドのシーツをつかんで声を上げていた。
「エリオット……もう、ダメ、です……休ませ……あ、あん……」
「へ……、いいのか?こんなに締めつけて、くるくせに……く……」
音を立てて何度も何度も最奥を抉られ、そのたびに私は大きな声で喘ぐ。

バスルームで何度も何度も求められ、半分のぼせかけて、何とか外に出て。
でも脱衣所で結局襲われ、もう息たえだえ。
その後、部屋までの廊下を、何とお姫様抱っこで運ばれました……。
通りすがる使用人さんたちは、エリオットの腕の中でぐったりした私を見、ニヤニヤと
『頑張って下さいね〜』『あんまり無理させちゃダメですよ、エリオット様〜』と、
大変にあからさまに見送って……そして部屋につくなり、また襲われました。

「あっだめっ……あ、ああ……」
脳髄を貫くような激しい感覚。
熱い××を最奥に何度も出し入れされ、内がこすれるたびに乱れた声が上がった。
「んぁっ、あっ、あ……ひっ……あ、ああ……っ」
動きを合わせるように腰がくねり、強く抉られ、さらに声が上がる。
「くそ……すげえ、締まる……っ」
私の腰を押さえる手は汗ばみ、責めがさらに速くなる。
「ひっ……あ、ああ、ああ、ダメ、壊れ、ちゃう…っ!」
「ああ、壊れちまえよ、淫乱なおまえを、満足、させられるのは、俺だけだ……!」
「ち、違……淫乱なんかじゃ……あ、ひ……ああ、ああ、もっと、ください……っ」
「ナノ……ナノ……っ」
そして、打ちつけが耐えられないほど、速く、激しくなった。
ガクガク揺さぶられ、抑えることも出来ず嬌声を上げる。
「あ、ああ、あっ……っイッちゃう……イッちゃう……!ダメ!……ああ、ああっ」
バラバラになりそうなくらい強く突き上げられ、
「ナノ……ナノっ!!」
瞬間、内にほとばしる大量の××。
「ああ……ああああっ……!!」
それを感じた瞬間に、私の視野も真っ白になり、抑えきれない声が上がる。
「はあ……はあ……ん……」
私はこの上ない恍惚感に満たされ、シーツの中に倒れ込んだ。
「ナノ……愛してる……おまえだけを……」
覆いかぶさり、抱きしめる熱と重み。
それに、この上ない愛おしさを感じながら、私は目を閉じた。

…………

暗がりの中でうっすらと光る、ベッドサイドランプの明かり。
その薄明かりの中に浮かび上がる、マフィア2の精悍なシルエット。
上半身裸で煙草を吸い、暗闇にゆっくりと煙を吐き出す。
まるで映画かドラマの一シーンのような光景だ……ウサギ耳さえ無かったら。
「何、考えてるんだ?」
横目でチラリと私を見下ろすエリオット。
大きな枕に頭を沈め、下着姿の私は微笑む。
「ウサギ耳を引きちぎる方法を」
やや沈黙があり、
「ハートの城の宰相のことか?おまえって女は……」
何やら声のトーンが急降下していくので、私は慌てて首を振る。
「ち、違います違います!あなたのウサギ耳のコトで!」
「ウサギがどこにいるんだ。俺はウサギじゃねえよ!」
あああ、映画の1シーンが一転してコメディに……。
そしてエリオットは煙草を灰皿でもみ消すと、また私の横になり、
「ん」
と腕を突き出してくる。私はその腕に素直に頭を乗っけ、腕枕される。
エリオットは別の手で私の髪を撫でた。
私は大人しくして、撫でられるままになっていた、
やがてエリオットが言う。

「ナノ。おまえは俺の物だ」

「…………」
私は返事をしない。
「俺がこの世界で最初におまえを見つけたんだ。屋敷に連れ帰って、住むところを
面倒見て畑を作るって仕事を与えて……俺の女にして」
「それから、私は余所者ってバレるのが怖くて、逃げたんですよね。
でもあなたに連れ戻されて。でもまた逃げて」
私が後を続ける。エリオットを見上げると、彼も私を見ていた。
「それであなたはブラッドの力も借りて私を連れ戻して」
この世界に来て、たくさん冒険をした気もする。
けど、言葉にすればたったそれだけ。
私のたどった道なんて、こんなにちっぽけだ。

エリオットが言う。
「だが力ずくで連れ帰ったおまえは、いつも怯えていた。
だからおまえに埋め合わせをしたかったんだ。
なのに念願かなって、おまえが怯えなくなったら……」
大きな手が、そっと私のノドに触れる。
「今度は俺を苛立たせるようになった」
手にグッと力がこもる。
「俺を振り回すのはそこまで楽しいか?他の男のモノは、そこまでいいか?」
「浮気はしてませんよ」
それだけは言っておく。まあ他の男性と関係を持ったことはあるけど合意ではない。

三月ウサギは私を抱き寄せる。そして心臓のあたりに手を置いて言った。
「おまえは俺の女だ。それを忘れるな」
忘れるわけがない。私の意思どうこうではなく、私は身も心も彼の物だ。でも……
「エリオット。でも私、そういう関係は止めたいんです」
「……どういうことだ?」
私は起き上がって、まっすぐにエリオットの目を見る。
「誰かにペット呼ばわりされたり、力や誓約で無理やり従わされたり、あなたの
一挙手一投足に安心したり怖がったり。そういう関係を卒業したいんです」

あのときブラッドに言ったのもそれだ。
今の関係は一方的で歪んでいる。それはとても息がつまることだ。
ブラッドは私の意見に賛同してくれ、誓約の破棄を了承してくれた。

「あなたと対等の関係になれたら、と思うんです」

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