続き→ トップへ 短編目次 長編2目次 ■とりあえずお風呂・上 ※R15 帽子屋屋敷を出てから、どれだけ遠出をしていたか。 そして私は、やっと三月ウサギの部屋のドアを開けた。 「エリオット、帰りましたよー」 「…………」 エリオット=マーチはシャツとスラックスだけのラフな姿でベッドに腰かけ、やや うなだれていた。そして私の声を聞くと、顔を上げる。 私を見る顔は変わらずに精悍で、人を威圧する迫力があって。 「…………」 そして耳が垂れていた。 私ナノ、早々に癒やされました。 ……本当は激しい追及を覚悟の上でした。 だって、つい最近までエリオットの言うことを聞いて四六時中べったりだった。 でもエリオットは私を束縛するだけじゃなかった。 色んなとこに連れて行ってくれたり物を買ってくれたり。 彼なりに私を喜ばせようと色々してくれた。 なのに私がいきなり、好き勝手にやりだすんだもの。 前みたいに私にムシャクシャをぶつけたり、見境なく顔なしさんに危害を加えたり するのだと思っていた。いや、それを恐れていたから私はエリオットに従った。 でも今はなぜか怖くない。だからこちらを見るエリオットをまっすぐ見返す。 ……やっぱり耳が垂れてますねえ。 そして、どれくらい沈黙が続いただろう。 「風呂、一緒に入ろうぜ」 エリオットは元気なくポツリと言って立ち上がる。 「はい、エリオット」 私も後に続く。エリオットの背中は何も語らない。 語らないけど……耳は垂れてる。 「…………」 ちょっと前までこんなときのエリオットが怖かった。でも今はあまり怖くない。 ただ、ときどき突き刺すような痛みが胸を刺す。彼にこんな……えーと、あんまり、 サマにならない例えだけど、耳を垂れさせてしまう自分の胸に。 ………… 立ちのぼる湯気。ピンク色の大浴場。 そこに少女のはかない悲鳴が上がる。 「いやああああぁっ!!エリオット、もう止めて!あ……痛っ!ああ、いやあ!」 「こら!暴れるな!!風呂嫌いのガキかおまえは!!きれいに洗ってやるから!」 ハーイ、××シーンではございません。 二人して腰かけに座し、私はエリオットに洗われてます。 「風呂嫌いじゃないです。エリオットは手つきが乱暴なんです! もっと優しく触って……頭皮が!シャンプーが!ああ!目が、目がぁ!!」 どこぞの大佐のような声を出し、大仰に目を覆ってみる。 でもエリオットは容赦ない。 「遊園地に行ってきたんだろ?おまえ、帰ってきたとき、ちょっと汗臭かったぜ?」 うう、いきなりお風呂と言うからなにかと思ったら、そういうことですか。 そして毛を抜く気かという勢いで、ゴッシゴシと頭を洗われる。 指が頭の形を変えるかという強さで地肌に……あ、けっこう気持ち良いかも。 と、のんきにマッサージ気分でいると、 「ほら、湯をかけるぞ」 「え……っ!!」 目を閉じる間も無く、ざっぱーんと上からお湯が振ってくる。 ううう、今度こそ、目がぁ……。 「ほらほら、吹くぜ」 「〜〜っ!!」 これまた豪快にワシャワシャと乾いたタオルで頭を拭かれ、水滴を取ってもらう。 い、痛い。絶対、抜けなくていい髪までたくさん抜けた! 「え、エリオット。ありがとうございます。お礼に今度は私が……」 フラフラしながらエリオットを振り返り、笑う。 一度でいいから、あの耳を洗ってみたかったんです! 「……おまえの目が怪しいから止めとく」 えええ!そんな!! と、エリオットはスポンジにボディソープを出し、何やら邪悪な笑いで私に、 「じゃ、身体を洗うぜ、ナノ」 ……目が怪しいのはどっちですか。 ………… エリオットに後ろから身体を洗われてるわけですが。 「ん……ぅ……」 「ほら、もっと足を開けよ。洗えないだろ」 泡だらけのウサギさんの指が×××を容赦なくこする。 泡で見えないけど、×××は、もう反応を始めちゃっている。 「い、いえ、何で素手で洗って……」 「女の大事な部分だろ?傷つけるわけにいかねえしな」 「いえスポンジで傷つくほどにヤワな部分ってわけでも……あ……ん……っ」 指がもぐり込んだ部分は、すでに湯でも石けんでもない湿りを帯びている。 「おいおい、普通に洗ってるだけだぜ?何、欲情してるんだ?」 後ろから意地悪い声と、耳をザラリと舐められる感触。 ×××××を指の腹で大胆にこすられ、ヒッとノドの奥から変な声が出た。 「いやらしい女……」 そしてスポンジをどこかに放り投げ、エリオットは、こちらの胸の先端を撫でる。 最初は洗うように優しく。でもすぐに荒めの愛撫に。 「ん……や……」 抱き寄せられ、胸を大きな手で乱暴になぶられ、声が上がる。 肌はさらに密着し、こちらのお尻に彼の××が、恐らく意図的に押しつけられた。 「あ……や……っ」 浴室ということもあり、喘ぎ声も濡れた音もより大きく響く。 エリオットが私の肩に後ろから顔をうずめ、 「ナノ……俺が欲しいか?」 「ほ、ほ、欲しくなんか……っ」 精一杯の虚勢で首を振るけど、 「…………っ!!」 長い指が×××に沈み、中を容赦なく引っかき回す。 「あ、あん……や……っ」 腰かけから落ちそうな身体をエリオットに支えられ、彼の腕の中で暴れた。 「エリオット……ん……ダメ……ぁ……ああ……っ」 指だけでイカされそうになるのを必死で抑える。 でも、こらえようとしても愛液が床に垂れ、湯に混じって流れていく。 「あ……はあ、はあ……」 「欲しいか?」 必死に息を整える私に、低い声が楽しそうに誘惑した。 1/5 続き→ トップへ 短編目次 長編2目次 |