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■疲れる……

※R18


ただれてるなあ、と思う。

エリオットは私の頭を撫でながら満足そうに言う。
「気持ち良いぜ、ナノ。おまえ、本当に上手いな……」
「……っ!」
手を伸ばされ、ご褒美みたいに胸の××を指先でいじられ、小さくうめく。
――本当、ただれてますねえ……。
薄汚れた連れ込み宿の一室。薄い扉の向こうには護衛の構成員さん。
窓の外は夕暮れですらない、爽やかな青空。
休憩と軽食。あと私がシャワーを浴びるからと、構成員さんたちには説明してた。
構成員さん、誰一人異議を唱えなかったけど、誰も信じちゃいないだろうなあ……。
全く働いてない私が唐突にシャワーを浴びるとか、いろいろ説明が苦しいし。

私の上着ですが前をはだけられ、胸の『下』まで下ろされている。肩、超ひんやり。
エリオットは多少、着崩している程度。
ソファに腰かけ、床に座る私にご奉仕させているという、いいご身分である。
「ナノ……」
うう、口が疲れる。というか、興奮していただいて嬉しくないわけじゃないのですが
髪をそんなに強くつかまないで下さい。痛い痛いって!今、絶対、何本か抜けた!
……ちょ、歯を立てちゃうから、勝手に人の頭、動かさないで!
と、内なる愚痴を言うのは状況的にも心理的にも不可能であり。
私は従順にご奉仕を続ける。脈打ち、大きく硬くなる××に舌を絡め、唾液をまぶし
音を立て、必死に咥える。口の端から××や××がこぼれ、胸元に流れていく。
「ん……んむ……」
「はあ、ナノ……ナノ……っ」
熱っぽい声と共に、唐突に×××が口から引き抜かれる。
淫靡に光る糸を口から引き、私はぼんやりとご主人さまを見上げた。
「ダメだ。やっぱり我慢出来ねえ。入れさせてくれ」
「でも、もうすぐ次の仕事だから×だけでって……」
無駄だとは思うけど、いちおう言っておいた。
でも投げ出されるようにベッドの上に引き上げられる。
シーツに沈み、起き上がるヒマもない。
「ナノ……」
襲われるみたいに乱暴にのしかかられ、下を下ろされた。ためらいなくキスをされる。
エリオットは舌を絡め、その間、手を休めずに硬くなった胸の××を愛撫し、形が
変わるくらいに強くつかむ。かと思うと両腕で抱きしめられ、骨を折る気かという
強度で締め上げ……コホン、ハグされる。
「ん……ダメ、エリオット…おし、ごと、が……」
止めようとしたら、エリオットは私の胸に軽く噛みつく。畜生めが。
「おまえの、せいだろうが」
嘘つけ。起きてから数えて、これで×回目、いやもっと……コホン、失礼。
「ナノ……!」
「ん……やあ……っ」
両膝をもたれ、足を大きく開かされる。言うまでもなく、反応してます。
「抱えてろ」
「……はい……」
両膝を自分で抱え、一番恥ずかしい場所を男性に晒す。
「ん……んん……っ」
すでに潤っていることはバレバレだ。最初から深くに音を立てて指を沈められる。
「あ……ん……」
自分の喘ぎ声が嫌でも聞こえた。そして何度も弄ばれ、慣らされて、
「欲しいか……?」
男のくせに、ウサギのくせに、色香さえ漂う声で聞かれ、私は汗を流し、うなずく。
「欲しい、です。来て、ください……」
エリオットはみっともなく求める私の髪を、愛おしげに撫で、キスしてくれた。

待ち望んでいた××が与えられ、最奥まで一気に貫かれる瞬間。
時間帯とか扉の外の構成員さんとか、何もかもどうでも良くなり、声を上げた。
楔を何度も何度も打ち込まれ、達して放たれるまで。
私は涙を流してエリオットを抱きしめ、雌の獣になっていた。

…………

はい、回想シーン終了。
以上……ここ最近の私のダレた生活でした。
で、今は帽子屋屋敷でエリオットについて歩いてます。

うう、ペット扱いはひどいけど、思い出すほどに正常な関係じゃないですな。
それに、どう考えても仕事の邪魔になってるし。
それでもエリオットは機嫌がよろしいので、皆さんホッとしてらっしゃる。
私はときどきひどいことをされるけど、暴力をふるわれることはない。
エリオットは××が終われば、いつもの明るくて優しいウサギさんの顔に戻る。
私を甘やかし、喜ばせることで頭がいっぱい。望めば何でも買ってくれるそうな。
双子や使用人さんたちも、以前と変わらず、気安く接してくれる。
何もかも上手く行っている。

行ってる……はずだ。

そうこうしているうちに、エリオットが目的の部屋についた。
「ブラッド、入るぜ!」
陽気に言って扉を開けた。

…………

エプロンをして、お屋敷の1と2に紅茶を淹れる。
ソファに優雅に腰かけるブラッドは、静かに私の紅茶を飲む。
そして選りすぐりのナノブレンドに、満足げにうなずいてくれた。
「いい味だ。君が屋敷に住んでくれるようになって、お茶会の楽しみが増えたよ」
当初、私を屋敷に立ち入らせなかった男が笑う。
「ヌワラエリアで上手く渋みを際立たせたな。ダージリンを上手く混ぜている」
そう言われると、客人へのリップサービスかと思いながらも頬がゆるむ。
「やはりオータムナルですよね。アッサムを加えてマイルドにしてみたんです」
「ああ。絶妙な配合だよ。二杯目は配合を変えずファーストフラッシュで飲み比べて
みたい。出来るか?ナノ」
「もちろんです。あ、エリオット。ニンジンティーのおかわり……は……」
凍りつく。私をすっごい目でにらんでいる三月ウサギに。

さすがにティーカップを砕きはしないけど、かなり怖い。
負のオーラだ。カラッとした三月ウサギらしからぬ暗黒瘴気だ。
エリオットは信仰に例えられるくらい、ブラッドを敬愛している。
だからブラッドに、露骨な嫉妬の炎を向けるわけに行かない。
結果、暗黒オーラが妙な感じにねじ曲がって、私に向かってるっぽい。
だとすれば、かなり理不尽だ。
エリオットだって、さっきまで上機嫌でブラッドと話してたのに。

「ふむ。やはり、次のお茶会はエリオットを交えず、君と私の二人だけにするか?」
明らかに面白がっているブラッドが、ガタガタ震える私に声をひそめもせず言う。
「ちょ、ブラッド……火に油をそそぐようなことは……」

そして陶器の砕ける音……あーあ、遅かった。

一瞬遅れ、大きな悲鳴。
「うわっ!あ、熱っ!!」
エリオットの手からこぼれる熱々の紅茶とティーカップの破片。
まーた、高価なティーカップを握りつぶして……。
「はははっ。余裕がないな、エリオット」
腹心の災難だか自業自得だかを、高らかに笑うマフィアのボス。
唯一、ツッコミを入れ……コホン、エリオットを気づかうべき私は『あちゃー』と
まぶたに手を当て、しばしの間、現実逃避をした。

ブラッドの手前、今は何もされないだろうけど、お茶会が終わった後が怖い。

この生活、疲れるかも……。

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