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■狂気3

※R18

「痛……!やめて……やだっ……」
必死に暴れる。けどエリオットは全く意に介さず服の前を開けた。
「……っ!」
胸に風を感じる。下着がずらされ、胸をむきだしされた。
羞恥に顔を赤くする間も無く、エリオットが胸を舌で愛撫し始める。
「嫌です……エリオット……本当に止めて!お願いっ!」
昼間の悪夢の再現もあり、パニックになって声をあげる。
でも今回は双子の助けもなければ、急な呼び出しが入ることもない。
「ナノ…………」
エリオットのあまりにも荒い息に、こちらまで当てられそうな気がする。
下半身を押さえつけられ、殴っても叩いても反応は無く、エリオットは好き勝手に
胸を愛撫し甘噛みし、時折こちらの反応を見、それでも止めることはない。
そして、いきなり起き上がったかと思うと、エリオットは私の上に腰を下ろしたまま
乱暴にマフラーを外し、ベルトを外し、上着を脱ぎ、と身軽になっていく。
私は上半身を自由にされたけど、腰にエリオットの重さがあって逃げられない。
せめて羞恥心をどうにかしようと上着を直そうとする。
でもエリオットは前に回した私の手をうるさそうに払う。
そして逆に私の肩に手をかけ、後ろから上着を脱がそうとした。
「ダメ、ダメです。嫌……っ!」

「逆らうな。これは上司としての命令だ」

「……っ!」
内容というより、声の冷たさに私の動きが止まる。
でもそれは一瞬の隙になる。
それを逃さずエリオットは、後ろからスッと上着を脱がすと、手の届かない遠くに
私の上着を放り投げた。
私は胸を隠すことも忘れエリオットを見上げる。
いつか浴室で感じたエリオットの腕。何度も小屋で一緒に眠り、ときには腕枕まで
してもらった。そのときの暖かい笑いを思い出す。
「エリオット……あなたは私をガキだって、ずっと何度も……」
「最近までは、な……」
私の背に手を回し、胸の肌着の留め金を外し、無理やり奪い取ってそれも投げる。
隠すもののなくなった私の上半身をじっくり眺め、そして改めて胸に手を触れる。
「や……やだ……っ」
無視される。形を確かめるように何度も愛撫をしながらエリオットは言った。
「いつからなのか、俺にも分からねえ。最初は俺だって自分で自分を笑った。
あんなガキに何を欲情してるんだと……でも、気がつくとおまえのことを考えて……」
「……っ!」
もう一度キスをされ、抱きしめられる。
肌と肌が密着し、片手を握られた。
かと思うと、その手を無理やりエリオットの下半身に導かれる。
「……やだ……っ」
十分に反応したそれを強引に握らされ、上下させられる。
自分の手の中で震え、容積を増していくソレに恐怖しか感じない。
「もっと強くだ……もうすぐコレがおまえの中に入るんだぜ」
「やだ、絶対に嫌ですっ!」
嫌悪の涙を流し、嫌がる私と対照的に、エリオットはどこか陶然とした顔で、
「ずっと、こうさせたかった……でも本当にすることはないと思ってた……」
と私の手を押さえ、さらに奉仕を強要する。
「エリオット……錯覚です。疲れてるんですよ。お店だかに行って、この間の女の人
みたいなきれいな女性を探してください……私は誰にも言いませんから」
「別に俺はおまえとのことを誰に知られても構わねえ……くそっ……」
耐えきれなくなったのか、いきなり私の手を離したかと思うと、私の下の衣服に
手をかけた。私は腰を押さえ、必死に首を振る。
「ダメ、それだけは……や……」
「その手を離せ。逆らうな!!」
「……っ」
三月ウサギの瞳に射すくめられ、また恐怖が背筋を走る。
気がつくと本当に手を離していた。
「いい子だ……」
脱がされる瞬間は見たくない。力が抜け、床に背中をつける。
呆然と天井を見上げ、下半身に不安を伴う寒さが広がるのを感じていた。
「っ!」
逃避していられたのも一瞬で、下の谷間に指をねじこまれ、我に返った。
「……や……痛っ……」
ただ、乾いていると思ったそこは、わずかに湿って熱くなっていた。
「反応してるな。やっぱり少しは良かったんだろ?」

嘲笑うエリオットの声。でもそこには、少しの安堵が入っていた気がした。

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