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■雨と騎士3

「ん……ん……」
舌をねぶられ、互いの唾液と雨水の混じったものが絡み合う。
シャツの前は大きく開けられ、胸の布地の上をエースの手が遠慮なくまさぐる。
「うわあ、ここまでびっしょりか。まあ、俺はコートで守られてたからなあ」
エースが顔を離して苦笑する。
そして君にコートを貸してあげれば良かったなあ、と今さらなことを言った。
「そういえば、私の真横で、暖かいコートに手袋までされてたんですよね……」
「うんうん。俺たちってお互いに頭が悪いよなあ」
いや、『たち』と『お互いに』は激しく不要ですから。
しかし今さらコートを貸す気はないのか、すでに脇に放って、雨に打たれるに任せている。
胸の布地をずらし、その下を見たエースは、
「あーあ、可哀相だな。寒さでこんなに勃っちゃって」
「ひっ……」
縮み上がった胸の先端を指で弄られ、声が漏れる。
でも、悔しいことに温かい。
分厚いコートに加え、手袋までしていたエースの手は保温されていたようだ。
そして冷え切った私の身体が、意思を無視して熱を歓迎しているのも事実だった。
「こっちの方が好きだったっけ?」
エースは顔を下げ、私の胸にゆっくりと舌を這わせる。
「……やっ……」
声が漏れる。片側は舌、片側は手に愛撫され、抵抗とは別の意味で身体が震える。
「ん……ん……」
自分の口から出たと思えないような吐息が出る。
「うんうん。元気になってきてる。身体は正直で嬉しいぜ」
使い古されたフレーズを口にし、エースはなおも熱心に舌と指でいたぶる。
「あ……や……」
見上げると雨水を落とす大きな木。降りしきる雨と、時折聞こえる雷の音。
髪と耳に感じる草っぱも頭を垂れ、雨水が耳の中に入らないか心配だ。
また葉っぱから落ちた水滴が顔にかかり、もうぬぐうのもおっくうで目を閉じる。
暗闇の世界でエースが息を乱しもせず、執拗に私の胸を愛撫している。
「ん……だめ……あん……」
もう抵抗は形だけのものになる。
エースの舌は徐々に下に下がり、
「だ、ダメです、そこは……」
「嘘言わないでくれよ、一番触ってほしいくせに」
一度顔を上げ、変質者そのものの台詞を吐くと、じっとり濡れた下の服を下ろしに
かかる。両膝を閉じて何とか阻止しようとしたものの、力の差がありすぎた。
膝をつかまれ、力ずくで割り開かれると、一気に抜かれてしまった。
下半身が濡れた草地と不快に接触する。
「冷たっ……」
エースへの抗議も忘れ、思わず言うと、
「なら、ナノを温めてあげないとね」
「や……やだっ!やめて……だめ……っ!」
必死になって暴れるけれど、エースに下半身をしっかりと押さえられている。
「えーと、さっきはここまで温めてあげたんだったよな」
「あっ……!」
舌が、茂みの上あたりに触れ、下がっていく。
足がひときわ大きく開かされ、息を呑んで硬直した。
「や……ああ……っやだぁ……!」
叫んだのは快感のためか羞恥のためか、自分でも分からない。
「ん……」
耳が痛くなりそうな豪雨の中なのに、エースの立てる音が耳に届く。
「や……だ、だめ……や……」
女性の最も敏感な部分を貪るように舐められ、息が荒く、熱が上がっていく。
「ん……ふ……」
気がつくと無意識に腰を浮かし、エースがやりやすいように足を開く。
自分の手が胸の布地の下に入り込み、勝手に自分で愛撫する。
「やあ……あ……」
責め立てられる箇所は泉の湧き出る場所に下り、ビクビクと震える箇所に容赦なく
突き入れられる。もうこちらは寒さなんて感じないで、下半身を押さえるエースの
身体をてこに起き上がり、上の服を脱ぎ去った。
「あ……っ」
エースの舌が、ご褒美のように敏感な箇所を舌先で転がす。
「や……やだ、ああっ……やめ……あん……」
露出し、勃起した×××××を、転がすように舐められ、こらえきれずにエースの
頭を抱きしめる。もう、下が熱くて熱くてどうにかなりそうだった。
すると突然エースが私の手を振り払い、身を起こした。
「はは。優しい俺が意外だった?乗り気になってくれて嬉しいぜ」
そう言って、限りなく全裸に近い私を上から下までじっと眺める。
「う……あの、エース……は、早く……」
否定したいけれど出来ない。
その間にも、雨で熱が冷まされる気がして、もじもじと身体を動かす。
するとエースが慈しむ目で私の手を取ると、
「待たせちゃってごめんね。でも、君もちょっと俺を温めてくれないかな」
「ちょっと、エース……!」
そして私の手首をつかむと無理やり自分の下半身に導く。
「この……×××……っ!」
「焦らされたからって逆ギレしないでくれよ。俺の身体の中で、君と正義を愛する
想いの次に熱い場所だぜ?」
豪雨に負けず寒すぎることを言って、エースは片手でズボンを下ろす。

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