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■捨てた話7

※R18

私はブラッドに背を向け、何となく手で身体を隠す。
自分で脱いでおいて我ながら往生際の悪い。
「ナノ。こちらを向きなさい。明かりが気になるのか?
消しては君の身体が見られないだろう」
助けを求めるように明かりを指差したけど、やはりダメだった。
――何で……何で……。
ブラッドとは何度も一緒に、お風呂に入ったのに。
何で見るのが恥ずかしいと……。もう自分でもワケが分からない。
「怖いものでは無い。ほら、触ってみなさい」
ブラッドの声も、何となく初めての子を相手にするような言い方になっている。
仕方なく、ゆっくりと後ろを向くと、
「!」
手を引かれ、横になるブラッドの上に乗せられる。
「〜〜っ!」
身体に直接ブラッドの熱を感じ、軽くパニックになる。
けれどちゃんと読んでいたブラッドに両腕で抱きしめられ、動けない。
ほどなくして、あきらめて力を抜いた。
「ナノ」
「…………」
名前を呼ばれ、素直にブラッドにキスをする。
舌をそっと差し入れ、今度はこちらからもブラッドを抱きしめた。
そのまま抱きしめるだけで身体の熱が熱くなる。
熱のままに激しく舌を動かすとブラッドも絡ませてくれる。
私の舌から送り込まれた唾液が混じり、口の端からしたたり落ちてしまう。
ブラッドが小さく喉を鳴らして私の唾液を飲む音にまた赤くなってしまう。
だんだんと欲望が羞恥心を押し始める。
私は口を離し、ブラッドの身体に、今度はこちらから舌を這わせる。
男の人の身体なのに、本当にきれいだ。動物のように熱心にあちこちを舐めた。
そのうち、ブラッドが好きなようにさせてくれるので、ちょっと身体を動かして逆の
向きに跨がった。
そして硬くなり起ち上がり始めたモノにそっと手を添え、上下に動かし出す。
「……ん……」
手の中でそれが脈打ち、ブラッドの気持ち良さそうな声が聞こえた。
だから、もう一度ブラッドの方を向き、今度は足の間に伏せる体勢になり、顔をうずめた。
彼の悦ぶ場所を何度も擦っては、舐め上げる。
ブラッドをチラッと見上げると余裕の表情で、満足そうに奉仕する私を見ていた。
ちょっとムッとして、思い切り口の中に咥えてやる。そして間髪入れず、激しく口を
上下させた。ブラッドの腰がビクッと震え、たちまち先走りの味が口内に広がる。
「く……」
こらえるような声と、硬くなる×××に快感を覚える。奉仕するいやらしい音が
静かな室内に響き、私はもう夢中になって口を動かした。
「全く、可愛いお嬢さんだ」
ふいに頭をつかまれ、引き抜かされる。ブラッドはいつの間にか起き上がっていた。
――もう少しだったのに。
「ああ。君の口でイクのも確かに悪くはない。だが今は先に君と結ばれたい。いいな、ナノ」
もちろんうなずいた。
そして私はころんとベッドに横にさせられ、足を開かされる。
生温いものをこぼす先端を押し当てられると、期待と羞恥で愛液が零れた。
「ナノ……入れるぞ……」
そして衝撃と共に、一気に最奥まで突き入れられた。
「……っ……っ!」
声が出ていたらきっと歓喜の声を上げていた。
「動くぞ」
ゆっくりと出し入れされ、耐えられずブラッドにしがみつく。
「ん……ん……」
「すごく熱いな。長くは耐えられそうに無い」
「うん……」
そして身体を抱え直され、何度も何度も乱暴に突き上げられる。
「はあ、ん、あ、あ……やあ、あんっ!」
「もっとしがみつけ、ナノっ」
「う、うん……あ、あ、あああ……っ」
内壁を擦られ、責め立てられるたびに愛液が溢れ、引かれるときは逃すまいと締めつける。
ブラッドの首に腕を回し、彼の動きに少しでも合わせようと必死に身体を動かした。
「ナノ……ナノ……君は、最高の女だ……」
煽られてかブラッドの動きはますます速くなる。
「ブラッド……ブラッド……ん、あん……あっあああ!」
熱い吐息と淫乱な喘ぎ声が漏れる。応えるように思い切り突き上げられ、嬌声が響いた。
ブラッドはもう無我夢中と言った様子で抑制をせず限界まで激しい抽送を繰り返す。
こちらは完全に翻弄され、揺さぶられ、快感を享受させられるしかない。
「ん、あ、あ、ああ、はあ、ああ、ブラッドぉ……っ!」
泣きながら見上げる。ダルさもボスの顔も捨てた雄としてのブラッドと目が合う。
本当にきれいな瞳だった。
「ナノ……っ!」
中で大きく脈打ったかと思うと、熱いものが内側で放たれる。
「あ、ああ、ああああ!」
気がつくと自分も大声を上げていた。身体中に染み渡る熱さを伴う快感。
内から溶けていくような痺れに身体が激しく跳ねた。
「ナノ……声が治ったようだな。可愛い喘ぎ声だったよ」
そして抱きとめてくれる優しい腕。
「馬鹿……」
涙で潤んだ目でブラッドを見る。唇が、どちらともなく自然に重なった。
それだけで心が優しい気分になり、暖かいもので満たされる。

――ブラッド……大好き。
熱い思いで胸がいっぱいになり、目を閉じた。

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