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■改装話の後日談2

※R18

何でこんなことになったのだろう。
いったいどこで間違ったのだろう。
なぜ私は彼らの愛玩物に成り果ててしまったのだろう。

もちろん、この異常な状況になった当初は猛烈に抵抗した。
悪口雑言を解放して、彼らに容赦なく暴言を浴びせた。
でも子猫が毛を逆立てている程度にしか受け取られず、笑って流された。
次に台所の刃物、食器に熱湯、家具、はては歯や指、爪。使える武器は全て使い、
力で抵抗した。何とか自分と自分の尊厳を守ろうとした。
その結果、嫌でも思い知るのは、役持ちの戦闘能力の高さだった。
日常的に銃口を向け合っている彼らが、少女一人に勝てないわけがない。
つたない武器は銃や彼らの能力でアッサリと撃破され、押さえつけられた。
私をなだめるため、わざと攻撃を受ける役持ちまでいた。
しかし拒絶の意思だけは通じた。
それで、何度か話し合いが行われたらしい。

そして会合よりも熱意ある議論の末……現状を良好に維持するには、私側の『合意』
が不可欠である、という総意に至ったそうだ。
私には全く歓迎出来ない。

そして、方法をどうするかでさらにもめたそうだ。
『拷問でもして、完全に気力を奪えばいい。ナノも諦めて従順になる』
力で私を屈服させようというブラッドの強硬論。
『回数を減らしてはどうだろう。自由外出も許可して、可能な限り以前の生活に近づけてやっては』
私の要求をある程度呑み、時間をかけて慣れてもらおうというグレイの懐柔案。
二つの案が衝突し、役持ちが二派に分かれ、銃撃戦になったとも。
『少しでも自由にしたら、この子はさっさとドアに逃げると思うぜ』
『ああ。この瞬間にも、時計塔の夢を見ているぞ。ナノは』
エースとナイトメアの一言で懐柔案が退けられ、銃撃戦終了。
さらに熱心な話し合いが続けられ、強硬論は幸い遠ざけられた。
で、『ナノの合意を引き出すため』最終的に採用されたのは……。

…………
そのとき、シーツをつかみ、私は泣いていた。
「いやあ……イキたくない……やだ、やめて……!」
「いいよ、イっちまえよ。我慢してても辛いだけだぜ?」
憐れむようにエリオットが言い、後ろから私を揺さぶる。
ウサギとは名ばかりの、マフィアのナンバー2に押さえつけられ、逃げられるわけがない。
突き入れられるごとに卑猥な水音が響き、自分自身も汗と、汗ではない体液を流す。
どこもかしこも××に汚されながら、抵抗も出来ず、いいようにされている。
「いや……ダメ……やだぁ」
それなのに、声に煽られるように中でエリオットの熱が強度を増す。
より深く、何度も何度も、最深部まで激しく突き入れられる。
「なら……何であんたも腰、振ってんだよ……すっげえ締めつけてくるぜ」
「……っ!違う……違う……っ」
「はぁ……どこが……もう何人やったと……なのに…汁零して欲しがって……」
「違う……や……ぁ……」
それでも認めたくなくて声を上げた。
直視したくない。ナイトメアの悪夢だと思いたかった。
役持ちたちがいる。不在の者もいるけど『常連』はそろっている。
椅子に腰かけて紅茶を飲み、ソファでくつろぎ、あるいは書類仕事をしながら、
……私を見ている。
今度は意識がクリアだ。
『あのとき』のように夢うつつでもなければ、意識が闇に落ちることもない。
行為の前に無理やり飲まされたもののせいで力が出ない。
そして……欲しくてたまらない。

……虚ろに壁を眺めて過ごしていたら、役持ちたちが入ってきた。
抵抗する間もなく押さえつけられ、何かを飲まされた。
まあ後はお約束の展開。
帽子屋ファミリーが大金を投じた『何か』の効果も絶大だった。

「熱い……やだ……やめ……もっと……」
揺さぶられながら求める。
「ああ、いいぜ…はあ……いくらでも……あんたが欲しいだけ……っ」

必死に自分を抑えようとしても求めてしまう。
身体が勝手に理性を裏切る。
見られていようと、意識がハッキリしていようと関係ない。
相手が誰だろうと身体を開く。キスをされて、服を脱がされて、複数の視線を感じ
ながら足を開かされても。
抵抗をしない、出来ない。
ただずっと泣いていた。
悲しみでも悔しさでもなく、快楽で。
けれど理性が中途半端に残っているのが地獄だった。
彼らが冷静に私の反応を観察しているのも。
醜態を晒す自分が恥ずかしくて、いいようにされているのが情けなくて
それでも快感がほしくて。
全てがごちゃ混ぜになって、抱かれるたびにただ泣いていた。

「俺たちはさ……君をいじめようとか、壊そうとか、思ってるわけじゃ……ないぜ」
大きく足を開かせ、騎士はそう言って笑った。

「君にも、楽しんで、ほしいだけ……なんだ。時計屋のことは忘れて……」
泣き顔は見たくないと、うつぶせにさせ補佐官が言った。

「ほら、もっと足を開きなさい。理性など、全て捨て、欲望のままに……」
上にまたがらせ、下から貫きながらボスは命令する。

言葉の通じる人がいない。
ただ泣きじゃくり、耐えるしかなかった。


最後はどうやらエリオットらしい。
「ナノ……ナノ……っ」
汗を身体に感じる。エリオットの動きは激しさを増していく。
もう動かされているのか動いているのかも分からない。内側を抉られるたびに衝撃で
身体が跳ね上がり、羞恥心や抵抗する気力が失せていく。
「ナノ……気持ち良いか?……く……」
「ん……ぁ……はい、すごく……もうダメ……いや……イキたくない……っ」
「ナノ……俺もだ……」
責めは強くなる。もう何かにつかまる体力もなく、胸を揺らし、揺さぶられる。
「や……やああぁぁっ……」
そして奥深くに熱い迸りが走った。
内側で脈動し、注ぎ込まれるたびにビクビクと身体がけいれんし、声を上げた。
そして涙を流した。

…………
どこかで声がする。誰かが私の顔をぬぐっている。
「よく頑張ったなナノ。俺たちも楽しんだし、君も悦んでくれて良かった。
ごほうびに今度、外に連れていってあげよう。風の吹く新緑の丘に……」

その口約束が決して果たされないことを、私は知っていた。
そして実際に果たされはしなかった。

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