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■改装話の後日談1

※短編『店を改装した話』の続編です
※18歳未満の閲覧禁止
※『性描写』『同意無しの性描写』があります
※閲覧中、ほんの少しでも不快に感じられましたら、すぐにページを閉じてください

※R18

…………

そしてまた夢を見る。
夢だと分かっている夢を。

靴音が響く。
私は石畳の階段を走って上っている。
空気に風の暖かさを感じ、やがて前に光が見える。
風が吹き、雲が流れている。
息せき切ってたどりついたのは屋上。見下ろす不思議の国は、まだ早朝だ。
街は朝もやに包まれ、昇りかけた太陽の金色の光が、優しく降りそそいでいた。
私は髪をなびかせてクルリと一回転する。
どこにも見張りはいない。
誰も私の行動を束縛する者はいない。
ああ何をしよう。すぐにここから出よう。
朝の丘を裸足で駆け上りたい、澄んだ小川の水に手を浸したい。
草むらに大の字になって、鳥のさえずりを聞きたい。

『珈琲を淹れてくれ』

素っ気なくも温かい声が聞こえる。
その瞬間に、外の世界への思いは飛んでいく。
『はい、了解です!!』
私は陽光に喜んで別れを告げ、塔の中に戻っていった。

…………

夢だと分かっていたから、目覚めても、さして失望はしていなかった。
ただ、『約束』が違うことを思い出しただけだった。
「外に出してくれる時間帯じゃ、ないんですか?」
私に腕枕をする一人に、小さく聞いてみた。
確かにこの時間帯は彼らと過ごさなければいけないのだけど、同時に、めったにない
『外出許可』の時間帯でもある。
私がどれだけそのときを待っていたか、きっと誰にも分からない。

とにかくこの陰鬱で自堕落で『ルール』に縛られた場所から解放されたい。
ほんのわずかな時間帯でも、厳重な監視つきの、帽子屋屋敷の庭園でもいい。
芝生の上を走り、噴水の水しぶきをこの手に感じたら、今の気分がいくらかでも、
癒やされる気がしたから。
でも彼らは『順番』は熱心に守っても、外出や店の約束については平気で破る。
そして約束を一方的に反古にされたところで、私はペナルティーを与えられる立場にない。

「そんなこと、どうだっていいじゃない、お姉さん……」
腕枕をしていたディーは上半身に何も着ていない。
そして私の髪に手をからめ、キスをする。
「僕らの順番なんだよ、お姉さんを離したくないよ……」
「ん…………」
舌をねっとりと絡め、吸い上げる。唾液の絡む音が怠惰に響いた。
そしてディーが顔を離すと、次は反対側に寝ていたダムの番。
「……ぁ……」
二人の体温が高いのは、子どもを引きずっているからか、私が冷えているからか。
「お姉さん。僕、ちょっとはキスが上手くなったでしょう?」
顔を離し、得意そうに微笑む双子に私は応える。
「ええ。たくさん練習したんですね。その子と遊んできていいんですよ?」
すると二人は驚いたように目を丸くした。
「そんなことしないよ!本で勉強したんだ!僕らはお姉さん一筋だよ!」
「もしかしてお姉さん、嫉妬してくれた?嬉しいな。お姉さんが僕ら一筋じゃなく
ても、気にならなくなるくらい、すごく嬉しい」
ディーが強く否定し、下着の中に手を這わせていたダムも同調する。
いや、気にするでしょう、というか気にしてほしい。
――誰も彼も、狂ってますよね……。
私は狂いたくない。この状況を受け入れるなんて、ありえない。
でも双子に交互に触れられるたび、また内側の熱が強くなる。
「お姉さんのために一生懸命、勉強したのにな」
「お姉さんには経験豊富な相手が何人もいるからね。
でも技術が追いつかない分は若さで勝負するしかないよ」
「出来れば、もう少し穏便なもので勝負してほしいんですが……」
(大人の男性の身体+体力)×2=ついていけない。
でも双子の動きは素早く、いつの間にかディーが頭側に移動していて、上から両腕を
押さえつけられた。
「ディー、離してください」
「お姉さん、大丈夫だよ」
何が大丈夫なのか分からないけれど、ディーが逆さまのキスをする。
そしてダムが私の下着をずらし、指を差し入れる。
「ん……や……」
まだ熱と体液の残る場所に。
「だめ……やぁ……」
ほんの少し触れられただけで、灰の中で冷えたと思った熱がまた火を灯す。
「お姉さん、ここがいい?」
「……やだ……」
残り火が消えようとしていた場所をかき回され、ソコが熱くなる。
身をよじろうとしても腕は動かず、下半身はダムにしっかりと押さえられている。
下着が全て取り去られるまで、そう時間はいらなかった。

「……っ!」
性急に指が中に潜り込み、乱暴に探られ、快感よりは鈍痛で息を呑む。
ダムは私の反応が良くないことが少し不満だったようだ。
「兄弟、ボスが言ってた、お姉さんが一番悦ぶ場所ってどこだっけ」
「兄弟、他人に習ってちゃダメだろ。僕たちでお姉さんを開発しないと」
するとダムは笑い、さっさと指を抜くと前を緩める。私は慌てて、
「ちょっと待ってください、まだ少し早……」
でも双子は聞いていない。
「そうだね。お姉さんが満足してくれるのが一番重要だ。
そのために、僕らの身体にもっともっと慣れてもらわないとね」
「ダム……それは違……や……!」
抵抗しようとして、ディーに耳を甘噛みされ止まってしまう。
ディーは上から私の胸を愛撫しながら、
「お姉さん、本当に嫌?まだ外に行きたい?」
「…………」
返事が出来ない。自分でも分かっている。
もう私自身も待ち望んでいる。でも……
「お姉さん、本当に素直じゃないよね」
ダムが、彼自身を私に押し当てる。私は何を言っていいのか分からなかった。
ディーが私にまたキスをする。
「大好きだよ、お姉さん」
「外のことなんか考えないで、いつまでも遊んでいよう」
そしてダムが押し入り、まだ準備が十分ではなかった私は声を上げた。
「ダム……やあ……痛……」
ダムは慌ててすまなそうに言う。
「ご、ごめん、お姉さん。少し準備が足りなかったね。
やり直してあげたいけど……僕、もう我慢出来ないから」
そう言ってダムは動き出す。
「ダム……もっとゆっくり……いや……」
浮かんだ涙はディーが舐め取る。
そして声を上げて泣く私の耳元で優しく、
「お姉さん、もうちょっと頑張ってね。次は僕だから」

助けはどこにもない。

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