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■お花畑に行った話6

※R18

「……まあ、こういうオチになるんだろうなーとは思ってたんですが」
山頂から少し下りたくらいの標高。
木の幹に背中を預けながら、私は空を仰ぐ。
ああ、気持ちの良すぎる快晴ですなあ。
小鳥の声はするし、木もれ日はきれいだし。
「あのさ。ナノ。もう少し集中してくれない?」
「なら変態行為を止めて、ふもとへの道程を再開していただけませんか?」
冷ややかに言って、私の前をはだけ、胸を愛撫する騎士を睨む。
あの和やかムードからこうなった経緯はよく分からない。
花クジラさんとさんざん戯れて、それじゃあ帰ろうかということになって。
でまあ、下りている最中に何となくエースが……その気になったらしい。
「君が悪いんだぜ。俺の手をぎゅっと握ったり、先を行くときには可愛いお尻を振ったりするから」
この変態思考が。少しでも見直した私が馬鹿だった。
「エース。さっきのは嬉しかったけど、だからといってコレに同意したわけじゃないんですよ?」
「いいからいいから」
「はあ……」
さて、どう逃げるべきか。
体力的にかなう相手ではないし、悲鳴をあげても、街中でさえ助けはなかった。
そもそも店にいて厳重に鍵をかけていてさえ、連れ出される。
――あれ、これって、どのみち救いの手はないってことじゃ……。
「ナノ、気持ち良くない?」
「んっ……」
敏感な箇所を舌先でくすぐられ、別の手で下半身を荒く刺激される。
嫌な思考を頭から振り払い、私はあいまいに、
「ん……まあ……」
少し顔を上げたエースと目が合い、そのまま唇を重ねられる。
「……ん……」
葉っぱのざわめきに唾液の絡む音が混じる。
私もエースの背中を抱きしめ、彼の抱擁を受けた。
けれど健全に抱きしめ合うだけではもちろん終わらず、エースの手が私の背中を伝い
……後ろの方を撫で回す。そうですかそんなに誘惑されていただけましたか。
「ナノ、下さ、下ろしていい?」
「お断りします」
キッパリと。
「あはは。許可してくれて嬉しいぜ」
エースはいそいそと私の腰に手を回す。
……この××騎士。

「ん……や……」
「相変わらず濡れてるな。なあ、どう?気持ちいい?」
絶対に応えるもんかと唇を噛む。
私の……その……あまりハッキリ言葉にしたくない場所を舌で愛撫する騎士様は、
むしろ嬉しそうに私を見上げ
「はは。やっぱり君は起きてる方がいいな。寝てるときの反応も可愛かったけどさ」
「この……」
せめて頭を押し返そうとしたけれど、逆に腰を強くつかまれ、後ろを撫でられる。
「ん……やだ……っ!」
指でわざと広げられ、一番敏感な箇所を歯で甘噛みされ、それだけでイッてしまう
ところだった。
腿をつたう愛液を指がすくい取り、手に絡めて茂みの奥を激しくかきまぜる。
嫌でも音が耳に入ってきた。
「いや……あん……っ!」
「ナノ。ほら、もっとよく見せてくれよ。足を開いて、そう、良い子だ」
「ん……んん……」
エースはまだ止める気配がなく、音を立てて舐めながら指と舌で悪戯を繰り返す。
されている方の自分はどうしていいか分からず、顔を真っ赤にして、ただ耐えるしかなかった。
「や……っ!」
谷間を荒らしていた指がゆっくりと内側に入り込み、かき回す。
「ん……だめ、エース……やめ……っ」
「そう?待ってましたって感じだぜ?ほら、こんなに垂らしてさ」
エースが愛液を舌先ですくうと、指を抜いてゆっくりと立ち上がり、私にキスを
した。飲め、と言わんばかりに舌から愛液を押し込まれ、たまらずに飲み込む。
エースは顔を離し、上機嫌で頭を撫でた。
「よく出来ました」
「ん……エース……」
自分でも何が言いたいのか分からないまま、涙目で見上げると、エースはニヤニヤと
「ん?もう欲しい?もっと可愛くおねだりしてくれたらいいぜ?」
「こ、この……っ」
「怒った顔も可愛いけど、もっと可愛い君が見たいなあ」
ニヤニヤニヤニヤ。
私は不思議の国に来て以来、最高潮とも言える殺意に身を焦がされた。
ああ、風が爽やか。ピクニックをしたいくらい、のどかな森だなあ。
そんな大自然の中で、ゆっくりと上着を脱ぎ、それを地面に敷くと、その上に座る。
そしてエースの方に手をのばす。
「……ん……」
「うーん、誘い方としては、まあ及第点かな。次はもっと上目遣いで頼むぜ」
――この男は……。
もう無期限で店の出入り禁止だ。
そしてエースは座る私に覆いかぶさると、もう一度深いキスをした。

…………
「やあ……あん……」
「はは。やっぱり外の方が開放的だよな。ナノも乗ってるし」
「誰が……あ……ああっ!」
反論の言葉は強い突き上げで霧散する。
足を抱えられ奥まで貫かれ、責められるたびに呼吸が出来ないほどの衝撃が走る。
「ああ……だめえ……ああっ!!」
水音が響き、結ばれた箇所からは愛液がだらだらと零れ、上着を汚していく。
激しすぎる責めに身体がガクガク揺れ、視界に映る緑の景色がぼやける。
涙と汗にむせび、快楽にただ耐えるしかなかった。
「ナノ……すごくイイ……本当に君さ……」
何を言われてもかまわない。ただ目の前の誰かが欲しくて、全身を動かし、抱きしめ
ひたすらに求めた。
「そう締めつけ、るなよ、俺も……」
突き上げは激しくなり、馬鹿みたいに愛液が溢れ、上着に染みを広げていく。
もう限界だった。
「エース……もっと……もう……あ……っ」
「俺も……」
やや余裕をなくしたエースと目が合い、どちらともなく唇を重ねる。
そしてエースはこちらの腰を抱えなおし、前以上に激しい抽送を開始した。
「あ、あああっ!はあ、あ、あ、あ……っ!!」
「ナノ……っ!」
身体がぶつかる音といやらしい水音、自分の嬌声とエースの声がやけに大きく響く。
「あ、あ、あ……あ……あああっ!!」
次の瞬間、私の中を真っ白なものが駆け抜ける。
同時に私の名前を呼ぶ声とともに、熱いものが大量に内側に叩きつけられた。
「はあ……あ……エース……気持ちいい、です……」
半ば放心して、恍惚と相手を見上げると、
「…………ん、俺も……」
全て吐き出し、それでも私から出て行かないエースが優しくキスをする。
「ナノの中、すごくよかった……」
「ん……」
キスを受けながら、私はエースが出て行くのを待った。
「…………エース」
まだ、内部の×××が硬い。
「なあ、ナノ。まだいいだろ?ナノの可愛い反応見たら、また……」
「…………エース……」
一度達して冷静になりつつある私は、極寒の瞳で彼を見上げる。
けれどエースはむしろ嬉しそうに、
「ああ、ナノは笑顔もいいけど、そういう嫌そうな顔もいいよな。
あはは。俺、そっち系の趣味があるのかもな」
そう言って再び動き出す。

私はもうため息しか出なかった。

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