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■怠惰な朝

※R18

「ん……」
深いまどろみから浮上し、薄目を開けた。
「……んん?」
何か変だ。枕が妙に硬いような……。
それに動けない。動けないというか……身動きもままならないほど
ギューッと抱きしめられている。
「起きたか?」
声がした。そこで目が覚め、パチパチとまばたき。
「うわっ!!」
あー、びっくりした。ユリウスの端整な顔が目の前にあった。
私は覚醒しつつある頭で、状況を確認する。
ここは墓守領の居住スペース、私の部屋だ。
で、大きなベッドには下着姿の私と……ユリウスである。
枕が硬いのも道理。腕枕をされていたのだ。

あー、そうだ。ユリウスの部屋で良い感じになりかけたところにエースが
帰ってきて……あの後エースがさっさと出て行き、私たちで追いかけた。
でも結局見つからず、まあ外には出ていないだろうと最後には諦めた。
で、そのとき私の部屋が近くだったので、ユリウスを私の部屋に誘い
……えーと、その後はまあ、それなりに楽しく。

「間近で怒鳴るな。朝からうるさい奴だ」
そう言いながらもユリウスの手は優しく、私の髪や頬を撫で、愛おしげに、
キスをしてきた。
「…………」
ものすごく幸せで、くすぐったくて、照れくさくて、腕の中で、もぞもぞする。
「ナノ。こっちを向け」
笑いを含んだ声で言われ、ユリウスの方を向かされる。
深い青の瞳が、とてもきれいだ。
吸い込まれそうな瞳が近づき、そっと唇が重なる。
時間帯は朝。少し開いた窓からは小鳥たちの声。
清らかな風でレースのカーテンがフワリと揺れる。
静けさと光と安らぎに満ちたひととき。
ユリウスが私の首筋にキスをしながら、ささやいた。
「ナノ。仕事は?」
「あ、大丈夫です。×時間帯はお休みで――え……っ!?」
『お休み』と言ったか言わないかのうちに、ユリウスの手が動き出した。
私を抱きしめ、意味ありげに腰のあたりを撫で出す。
「ちょっと待って!いえ、その、朝だし――」
決して嫌じゃ無いけど、朝っぱらから……と、ベッドから出ようとした。
しかしすぐ恋人の腕に捕らえられ、ベッドの中に戻された。
「ユリウス!か、勘違いでした!実はお仕事はすぐ――」
「そうか。それならすぐ始めなくてはな」
肌着の中に大きな手が滑り込む。
「いえそれ違……や……!」
時計修理によって荒れた手で胸に触れられ、反射的に身体が反る。
そうすると、まるで『もっと触れて』と胸を突き出したような格好に
なり、慌てて背を向けようとした。
けどユリウスは片手だけで軽々と私の身体を拘束し、自分の身体の下に
引き寄せ、意地悪く笑う。
「大人しくしろ、ナノ。おまえもその気なんだろう?」
「違います、違いますってば!だ、ダメ……!!」
下着の中に指が潜り込む。
すぐにユリウスは『気づき』、ますます忌々しい笑顔になった。
「ダメ?何がダメだ?こんなにしておいて」
「……――……っ」
指が弄る場所には、蜜があふれ始めていた。
「日が昇っているうちから、はしたない女だ」
「……そんな……あ……っ!や……ん……」
ツッコミを入れたいのだけど、快感に翻弄され、頭が回らない。
明るい時間帯なので、ユリウスの長い髪や胸板がやけに目に入る。
愛撫を受けながら見とれていると、ユリウスが目を細め、
「きれいだな」
「……え?」
「おまえが、だ」
「……っ!!」
慌てて反論しようとしたけれど、口づけで妨げられた。
甘いキスの間も、長い指がいやらしい音を立て、深い場所に潜り込む。
「ん……んん……っ」
「ナノ……っ」
窓から光が差し込む。同時に肌着がたくし上げられ、白磁……というほど
白くもない素肌が晒される。爽やかな風が、肌を撫でるのが落ち着かない。
「ユリウス……窓を閉めて下さい。もしくはカーテン……!」
「その間に逃げるか、一人ですませるつもりだろう?」
――逃げるのはともかく、『一人ですませる』って何ですか……。
ともかく、ユリウスの方に離れる気はないようだった。
「ぁ……っ……ん……」
足を広げさせられ、散々弄られて潤みきった場所に××を押しつけられる。
これから与えられる快楽を予感し、期待に胸が高鳴る。
「ナノ……」
「は、早く、来て、下さい……――ん……やあ……!!」
硬い××に一気に最奥まで押し入られ、内を熱く抉られる。
快感がはじけ、嬌声が恥じらいもなく喉から出る。
「……は……っ……」
すぐに動かれ、激しい抽挿が始まる。

「や……あ……っ……」
昨晩に勝るとも劣らない勢いに耐えきれず、背中にしがみつくと、
噛みつくようにキスをされた。舌が絡み合い、互いが互いの身体を強く
抱きしめる。その間もおかしくなるくらいの攻めが続けられた。
そして根性のない身体はさっさと陥落しそうになり、私は息も絶え絶えに叫ぶ。
「ユリウス、やだ、まだ、イキたく……な……や……ぁっ」
痛いほどに深く強く押し入られ、とうとう声を上げ、達してしまった。
「……――っ……!」
直後に、小さく息を吐き、ユリウスも達する。
大きな身体が私の上に倒れ込み、息をどうにか整え、それを受け入れた。
「……ユリウス……」
「ナノ……」
互いの乱れた息づかい。目を合わせて、また口づける。
――大好き、です。
うっとりした気持ちで余韻を楽しんでいると、
「……え?……わっ!」
ユリウスが私の身体をころんと転がす。
「な、何するんですか!」
うつぶせになり、振り向きながら言うと、
「おまえが悪い。あんなことを言うから」
ユリウスはしれっと言い、私の腰を抱えた。
え?もしかして間際に『イキたくない』とか言ったこと?
は、恥ずかしい……!冷静になると恥ずかしすぎる。しかし、
「ちょ、ちょっと!」
腰を上げさせられ、うつぶせで後ろを突き出す格好にされた。
「ひっ……んん……」
ユリウスの××と、自分の愛液が混じる場所に指が入る。
まだトロッと熱い秘部を、音を立ててかき回され、声が出てしまった。
「本当におまえという女は、ねだるのが上手い……」
「いえ、それ違います……や……ああっ!!」
再び熱く硬くなった××に一気に貫かれ、私はシーツをつかんで、
快楽にあえいだのだった……。


5/5

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