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■帽子屋・5

※R18

「はあ……あ……ああ……」
膝を押さえつけられ、足を大きく開かされている。
何度も何度も、貫かれ、激しく打ちつけられるたびに、理性が消えていく。
「ナノ……ナノ……っ」
「やあ……ああ……ああっ」
息を荒げながら腰をぶつけられ、二人の体液にまみれた内側をぐちゅぐちゅと擦り
あげられる。
「ブラッド……んぁ……あ……あっ……」
「熱いな、ナノ……絡みついて、よく締めつけてくる……」
「やだ、そんなこと……んくっ……ぁ……ああっ」
奥深く、根元まで埋められ、何度も何度も貫かれ、少しでも気を抜いたら達して
しまいそうだった。淫猥な水音が響き、つながった箇所から溢れた体液が薔薇園に
飲み込まれていく。
「んぁっ、ん、やあっ、ああっ」
腰の動きが激しくなる。
耐えがたい愉悦の時が終わるのが嫌で、泣きながら首を振った。
「やだ、イッちゃう、あん……やっ、ああ……」
「ナノ……ナノっ……」
ブラッドの方も、余裕が無くなっているようだった。
狂ったように名を呼び、貪ってくる。
最奥がひくつき、我慢出来ないほどの快感がこみあげる。
「ナノっ……!」
「あ、ああっ!やあ……っ」
熱い迸りを感じ、頭の中を絶頂感が突き抜ける。
「ナノ……」
腰をつかまれ、脈動を内に感じ、もうどうでも良くなる。
快感の余韻に荒く息をし、私はハロウィンの夜に酔いしれた。


…………
ハロウィン・パーティーも無事終わり、屋敷の落葉樹の葉も落ちきった頃。
私は未だに帽子屋屋敷を出る隙を見つけられず、ブラッドに飼われていた。

「……変態」
私はご主人さまに、ボソリと一言だけ呟いた。
「お嬢さん。時として言葉の刃が、繊細な男心を傷つけると知っているかね?」
書斎で私に『それ』を差し出したブラッドは、平然としている。
「ただ私は君に自信を取り戻してほしいだけだ。また、新緑のようにみずみずしい
笑顔で微笑む君を見たい、私のために淹れた最高の紅茶を取り戻してほしいと」
「親切を装い、ご自分の変態趣味を肯定しないでいただけますか?」
×エプロンで紅茶の腕が戻るなら誰が苦労するか。
私はブラッドの差し出す、異様に丈の短いフリル付きエプロンを冷酷に一瞥し、
「お断りします。そういったリクエストに応えられる女性を探してください」
こればかりは、私の協力がなければ出来ない。
冷たく背を向け、本棚に戻ろうとすると、後ろから抱きしめられた。
「ナノ、何か欲しい物はあるか?宝石でも服でも、何でもいい」
「あえて言うなら自由を。屋敷を出るくらい、いいじゃないですか」
「それは許可出来ないな、他の男を誘惑されては困る」
胸のあそこを弄るな、隙間から手を入れるな、着々と脱がせようとするな。
私は意思に反して熱くなる身体に苛々しつつ、
「なら、問題集を買ってきてくださいよ。街で売ってるのでいいですから」
「勉強をする必要は無い。君の能力は今後下がりはしないが上がりもしない」
なぜか断言する口調で言われた。ブラッドがそう言うのなら本当なのだろう。
ということは、あの高スペックナノさんはもう戻らないのか。
理不尽な異世界にガッカリしつつ、脳裏にあるものが浮かぶ。
「……ブラッド。私、一つだけ欲しいものがあるんです。
もしかしたら、あれで紅茶の腕が少しは戻るかも……」
「ほう?何が欲しい。何でも買ってあげよう」
即座に調子を取り戻し、上着を脱がそうとするブラッド。
それに歯がみしつつ『欲しい物』を口にする。
「は……?」
そして久しぶりにボスの呆けた声を聞いた。

…………
「あの、ブラッド、私、紅茶を、まだ、淹れて……」
「ナノ……終わった後に、いくらでも……」
「いえ、それ、意味が……あ、やあ……」
ソファに押しつけられ、エプロンをつけた状態で責め立てられている。
というか服を脱いで、渋々エプロンを着用した直後に押し倒された。
……そこまで嬉しかったのだとしたら、真剣に今後を考え直したい。
「やあ、ブラッド……ダメ、意地悪、しないで……」
「君が悪い、誘惑などして……ああ、ナノ……」
エプロンの上から胸を激しく愛撫される。
裾のあたりは体液でぐしょぐしょになり、今も愛液と汗を吸い続けている。
ちなみに、ずっと気になっていたエプロンの裾は……本当にギリギリだった。
まさに見えるか見えないかというライン。少しでも姿勢を崩せば完璧に『見える』。
もうエプロンの意味ないだろうというくらいギリギリだった。
なぜそこまで正確に寸法が分かるのかと、いっそ悲しくなるくらい正確に。
「あ、あ、あ……やあ、あああっ!」
最奥まで激しく貫かれ、ソファの上であられもなく声を上げ、達する。
「はあ……はあ……」
ブラッドが、白い液をこぼしながら私の中から出、残りをエプロンの上に出す。
そして私に優しいキスを落とした。
「最高だったよ、お嬢さん。たまには気分を変えるのもいいものだ」
いろいろツッコミを入れたいけど、気だるすぎて出来ない。
そしてブラッドは服を整えながら、
「では紅茶を淹れてもらおうか。ああ、下は軽く拭いて良いが、他はそのままだ」
私はかつてない最長時間、沈黙し、
「……………………変態」
地を這うような声で、それだけ呟いた。
もはや開き直ったブラッドは笑っていた。
その後、どこの×××に出演するんだという格好で、羞恥やからかいに耐えながら
紅茶を淹れる間、ブラッドはずっとずっとご満悦だった……。
もちろん、その後でちゃんと襲われた。

……で、紅茶の味はやっぱり戻っていなくて、飲んでもらえなかった。
ちょっと泣きたい。

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