続き→ トップへ 小説目次へ ■猫とネズミごっこ・下 ※R18 私はため息をつく。 ――噂が噂だから『誰にでも×××させる』なんて思われても仕方ないですけどね。 レストランの楽しい思い出が急速に色あせていく。 ボリスは友達だから、偏見とは無縁だと思ってたのに。 「ん……」 でも首筋を舐められ、思わず声が出る。他の人とは違うザラッとした感触、獲物を じっと見つめる金色の瞳。なぜか背筋にゾクッと快感が走る。 「ナノ、少しの間だけでも忘れさせてあげるよ」 「ボリス?」 意味が分からず見上げる。 「ナノは、ちょっと疲れてるからさ」 「疲れてなんていませんよ」 でもボリスは続ける。 「疲れてるよ。色んなことを自分の中に隠して。 あのときだって、誰にも言わないで、無かったことにしちゃって……」 最後まで言う前に、私はボリスの口を手でふさぐ。 ボリスにどうこうされるより、無かったことにしていた『あのとき』を蒸し返される 方が辛かった。割り切った私は彼を抱き寄せ、自分から唇を重ねた。 「忘れさせてくれるんでしょう?」 ……何となく台詞が悪女っぽいかも。 「でもボリス。一回だけですよ。またやったらピアスの部屋に引っ越しますからね」 「うわ、それすごい脅し文句だよ、ナノ」 私の服のボタンを外しながらボリスが笑う。 「俺は他の奴みたいに、ナノを無駄に傷つけたりしないよ。ただ……」 ただ、何だろうと続きを待っても答えは返らない。 「ナノ、大好き」 そう言い直して、ボリスは私に唇を重ねる。 「私もですよ、ボリス」 友達としてという言葉はあえて出さず、笑顔で押し流されることにした。 勘違いしたのは確かだし、言うことを聞く約束だ。それに、今までの間、無理強い しようと思えば出来たのに、しなかっただけ知り合いの中では紳士的な方だ。 ――でも『不思議の国 最低女大会』とかあったら余裕で優勝出来そうですね、私。 夜の時間帯は続き、ベッドに遊園地の明かりが差し込む。 「ん……や……」 ボリスの舌が私の胸を舐め続ける。 動物ゆえか『食べる』という宣言が尾を引いているのか、ひたすらに舐めてくる。 それはもう全身舐め尽くす気かという勢いで。 「あ……」 敏感な箇所に軽く牙を立てられ、声が出る。 私の身体に触れるのは初めてのはずなのに、その手は的確に、触れて欲しい箇所に 触れてくれる。耳が、尻尾が身体をかすめるたびに、本当に獣に食べられている錯覚 を起こして、なぜか身体が熱くなっていく。 すごく気持ちいい……。 「ボリス……ボリス……」 「ふふ。ナノ、可愛いよ」 脇腹を舐められ、くすぐったい。舌と手が徐々に下に迫り、奥がじわりと熱くなる。 「ナノ、一番可愛いところ、見ていいよね」 「ダメです」 一応否定しておく。そして否定を否定される。 「ダメダメ。ナノは今ネズミで俺の獲物なんだから」 じゃあ聞く意味がないでしょうに。そうはいっても、下の服を優しく脱がされるのを 手伝ってしまう私だった。 「ん……」 でも恥ずかしいものは恥ずかしくて、つい両膝を閉じて視線をそらす。 「ナノ、ねえ、見えないんだけど。でもさ……」 ええそうですとも。脱がされた下着はしっとりと湿っていた。 ボリスがニヤニヤするのが分かるけど、顔を背けてしまう。 「じゃ、食べられるところを勝手に食べてるよ」 「っ!!」 ボリスが構わずに前の方に舌を差し入れる。反射的に閉じたままの膝を上げると、 「はい、後ろがら空き」 「うう……」 膝を上げたせいで、逆に後ろが空いた訳で。 すかさず、さわっと触れられ、それだけでわずかに膝が開く。 「や……っボリス、ダメ、です……」 もちろんその隙を見逃さず、大きく……その、足を開かされる。 「ナノ、どこを一番食べて欲しい?」 「そんな……言える訳……」 息を荒くしながら答える。 「そ。じゃあ、分からないから適当にやるしかないな」 「や……っ!」 ボリスが××に顔をうずめ、猫の舌がすっかり潤った谷間を這い回った。 「や……やだ……あ……」 背をそらせ、声をあげる。 けど、ひねくれた猫は意地悪だ。 適当との言葉通り、触れてほしい箇所は巧妙に外して周りばかりを責めてくる。 「ボリス……」 呼ぶ声にも懇願が混じる。すっかり私をペースに乗せたボリスはニヤニヤと 「ナノ、俺に何か頼み?」 「……ぅ……」 中途半端に刺激され、愛液がはしたなくシーツの上にこぼれる。 気がつくと猫が顔を近づけ、耳元でささやいてきた。 「どこを食べてほしい?ね、聞かせてよ」 舌が耳を舐める。もう勝手に膝は大きく開き、彼を待っているのに。 「×××××と×××を……食べて、ください……強く、ひどくして……」 真っ赤になりながらやっと恥ずかしい言葉を紡ぐ。 「了解」 そして猫は素早かった。 「や……っ!いや……ああ……ああっ!」 ザラザラした刺激が上から下までに広がる。膨らんだ箇所を舌で転がされ、甘噛み され、そのたびに暗い部屋に私の嬌声が上がる。 「あ……やあ…あん……っ」 ミルクを舐めるようにピチャピチャと愛液を舐められ、シーツをつかんで乱れた。 そんな私を見て、ボリスは笑う。 「ナノ。可愛い。あんまり可愛いから、ナノも俺を味見してよ」 「は、はい……」 息を吐きながらうなずく。 そして起き上がろうとすると、ボリスに押し戻された。 ――え?×××××ではないんですか? こちらが寝たままだと息継ぎや飲み込みが難しいから遠慮してほしいんだけど……と 内心困っていると。 「――っ!ボリスっ!?」 毛が、ボリスの尻尾の先が、ぐしょ濡れになった谷間に押し当てられた。 猫の尻尾だから骨があって中途半端に硬い。 「ナノ、この程度でイッたりしないでよ?」 「そんなこと言われても……や……ああ……だ、だめ、動かさないで……!」 必死にお願いするほど、ピンクの尻尾が、愛液の溢れる場所に、上の尖りにと、 容赦なく、ぐりぐり押しつけられる。 尻尾の先の、もっと硬いアクセサリーがさらに刺激を増幅する。 「やだ……ああっ!ダメ、もっと……」 もう自分で何を言っているのか分からない。それくらい激しく尻尾で弄ばれて。 気がつくと、雫をポタポタ垂らす、濡れたピンクの尻尾が目の前にあった。 「はい、ナノ、あーんして。でも噛まないでよ」 「ん……はい……」 言われた通りに口を開けるとぐしょ濡れの尻尾が押し当てられる。 私は、×××××の要領で、舌先で愛撫した。 アクセサリーを軽く噛んで引っぱるとボリスが息を乱す。 「……ナノ……すごくイイ……」 尻尾が揺れるのが愛しい。そのまま、私は彼の尻尾を舐める。 やがて愛液より唾液の方が多くなった頃に、尻尾を抜かれた。 彼が耐えきれないといった様子で前を緩めるのが見え、お互いに準備万端のようだ。 「ナノ、もういいよね?」 「ええ」 潤んだ目で見上げる。そしてゆっくりと、でも性急に先が押し当てられ、 「や……ああ、あ、あああっ!」 待ち望んだ刺激にあられもない声が出る。 「ナノ……すっごくやらしい声……」 「そんなこと、言わないで……や……」 強引に、力強く何度も抽送を受け、声が止まらない。 「本当に食べちゃいたい……良すぎだよ……」 「やだ、食べない……で……やあ……!」 合間に胸をもみしだかれ、また甘噛みされ、涙声が出た。 「ボリス……すごくいい、です。もっと……や……だめ……」 「何?どっちなの?」 苦笑しつつも、煽られたようにボリスの動きが強くなる。 気がつくと私の身体も勝手に動いている。 蜜をとめどなく溢れさせ、奥へと誘い、締めつける。 激しくなる打ちつけに気持ち良すぎて壊れてしまいそうだった。 「ナノ……そろそろ、イク、から……」 「ボリス……ボリス……」 私は馬鹿みたいに名を呼ぶ。 「私も……あ……ああ……あああっ!」 瞬間に、快感が弾け、声を上げ、大きくのけぞって私は絶頂に達した。 「ん……ナノ……」 達するのを待つようにボリスがゆっくりと内から出て行く。 限界だと言うように、その場で欲望の体液をシーツの上に吐き出した。 そして最後まで出し切ると、ゆっくりと私にキスをした。 「ナノ……」 「美味しかったですか?」 何となく聞いてみる。 「すっごくね。また食べたい。いい?」 「調子に乗らない」 ペちっと頭を叩くと猫はちょっと耳を伏せ、でも笑う。 そして私たちはもう一度キスをし、何となく再び互いの身体をまさぐりあう。 「ん……ボリス……ダメですよ……」 「許してくれるネズミがいるから、調子に乗るんだよ」 私はくすくす笑って彼の身体を抱き寄せる。 ……そしてまた少し、何かが自分の内に降り積もる。 少しずつ重く、黒く染まる鍵が。 6/6 続き→ トップへ 小説目次へ |