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■悪戯

※R18

悪戯しようとしているのはグレイの方だ。
今も両の手が私の……その、お尻をさわさわと撫でる。
そのまま後ろから、ちょっとばかり……ええと、濡れたものが湧き出始めている場所に指が近づく。
「ん……」
私は無意識に両足を広げながら必死に反撃の言葉を探す。
「悪戯被害どころか、お菓子までごちそうさせられるって、どういうトリック・オア・トリートですか」
「そうだな。トリック・オア・トリートは今はマフィアの奴らの専売特許か」
「?」
唐突にマフィアの名が出て来て戸惑う。ブラッドへの揶揄でもなさそうだ。
でも聞く前にグレイの別の手が、片手で器用にシャツのボタンを外し、中に入り込む。
「あ…ダメ、グレイ……!」
「ナノ。君が悪戯してくれないなら、俺の方からさせてもらう」
「だめ……だめ……」
首を必死に振り、かろうじて残っている理性が私を起き上がらせる。
グレイは仕事を終えたのかもしれないけど、今は昼の時間帯だ。
まだ窓からは明るい日差しが差し込んでいる。怠惰極まりない。
「起きるのか?ナノ」
「私はお茶の時間ですから」
「いいのか?」
「当たり前です!」
けれど起き上がろうとすると、グレイに片手で腕を引かれ、また前のめりになり……
「っ!!」
服の上から、その……前を刺激される。
「君は本当に濡れやすいな。もう服が湿ってきているぞ」
「う……嘘ですっ!」
多少ぐらつきはしたものの、真っ昼間からそんな気分になるわけがない。
「何なら自分で触ってみるか?」
「い、いい!いいです!もう止めてくださ……あ……っ」
腰の辺りからスルリと下着の中にグレイの指が入り込む。
「や……やだっ……だめ!」
さっきまで緩やかに触れていたそれは、直に触れるなり、しなやかに動き出す。
「ほら、やっぱりぐしょ濡れだ。下着の隙間からこんなに溢れさせて……」
「ダメです、やめて……や……」
何とか逃れようとかすかに腰を浮かすと、まるでそれを待っていたように真下に手が潜り込み、下から責め始める。
「あ……っ!ああ……やだぁ、やぁ……!」
別の手に腰をしっかり押さえられ、上には逃げられず、腰を落とせばグレイの指を深く受け入れることになる。
全身が熱い。
いいようにされている悔しさと羞恥で真っ赤になって震えた。
窓の外は快晴。換気のため小さく開けた窓の隙間から、雪合戦をする子どもの歓声まで聞こえるというのに。
何とか自分を抑えようと息を吐く。けど、グレイは余裕で含み笑いをした。
「ナノ、まだお茶の時間を続ける気か?そんなに下を濡らして正座したら、失禁でもしたかと勘違いされそうだな」
もう、本当に悪戯だ。下半身は愛液をみっともなく零し続け、本当に失禁したのかと思うほど服を汚し、それはグレイの服に移りつつある。
「あ……やだ……ああ……あっ!」
結局、限界を迎えて腰が落ちてしまう。
瞬間にずぶりと指が入った。愛液を潤滑剤に遠慮無く内に潜り込み、
「確か君が好きなのは……ここだったな」
グレイが指を曲げ、一点をつく。瞬間に、脳髄が震え、激しくのけぞった。
「だめっ!ひ……あ……!ああ……っ!」
もう時間帯もお茶のことも忘れ、快感しか頭にない。
グレイは指で中を探り、私を眺めながら、
「ナノ……そろそろ、俺が欲しいだろう?」
低くささやかれ、にじむ涙をふきながら小さくうなずく。
「だったら、脱ぎなさい」
「は……はい……」
やっとグレイの手から解放され、私は手伝ってもらいながら、ぐしょ濡れになった下の服を脱ぐ。
「次に、俺のを出して」
「はい……」
そして上着だけ身につけ下半身は何も着ていない格好になった後は、震える手でグレイのズボンの前を緩める。
「ナノ。自分で出来るな?」
「ん……」
コクンとうなずき、硬く育ったグレイの……を自分の秘所にあてがい、腰をゆっくりと下ろす。
「あ……や……あ、ああっ」
たっぷりと濡れた秘所は喜んでそれを締めつけ、ぐちゅっと音がした。
体重の助けもあって、一気に根元まで受け入れてしまう。
けれど挿入の衝撃に酔う暇もなく、グレイが私の腰をつかんで揺さぶり出した。
「あ……はあ……はあ……や……熱い……」
「ナノ……っ」
動きの激しさに耐えきれず、グレイの上で馬鹿みたいに揺すられるままになる。
髪が振り乱され、さして大きくもない胸が上下した。
「はあ……グレイ……頭が、じんじんします……もっと……」
「ナノ……」
抜けるかというくらい腰を持ち上げられ、一気に落とされる。
「あ……ああ、あああっ」
それは一度だけでなく何度かされた。そのたびに、抑えられない嬌声が静かな部屋に響く。
卑猥な濡れた音、二人の声、ベッドのスプリング音……かすかに聞こえる、清らかな子どもの声。
「ん……っ」
突然、耐えきれないという風にグレイが起き上がり、体位が変わる。
私は逆にベッドに背を押しつけられ、グレイを見上げる体勢になった。
「ぐ、グレイ……?あ……ああ……」
そしてさっきの比ではない強さで激しく打ちつけられる。
「ナノ……ナノ……!」
グレイは私を何度も呼ぶ。
「グレイ……グレイ……!」
私もグレイにしがみつき、馬鹿みたいに彼の名を呼んだ。
もう互いに限界寸前だった。
やがてグレイが腰を引き、一気に最奥まで貫く。
「あ……や……ああ、あああっ!」
瞬間に頭の中が真っ白にはじけ飛び、私は大きな声を上げて絶頂を迎えた。
「ナノ……愛してる……」
一瞬遅れてグレイがゆっくりと私の中から出る。
「はあ……はあ……」
彼自身の先端から、白いものが私の身体に吐き出される。
私はぼんやりとそれを眺めた。
そして最後の一滴まで搾り出すと、グレイも脱力したように私の横に倒れた。
そして汗ばんで湿った手で私の顔を寄せ、キスをしてくれた。
私もうっとりと目を閉じ、それを受け入れる。
「ん…?ち、ちょっと……」
叫びすぎてかすれた声で、私は抗議した。
グレイの手が私の上着の中に潜り、胸を愛撫し始めた。別の手も、そろそろと下に伸びていく。
どうも第二戦の運びらしい。
――ついていけますかね、私……。
されるままになりながら、ため息をついた。

とりあえず、テーブルに正座してお茶を飲むのは今後止めておこう。

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