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■服従・3

※R18

私は何もまとわず、ソファの上で懇願していた。
「い、痛いっ!止めて……やめ……!」
泣き声が出る。でもブラッドは止めない。
「私に従うと決めたのだろう?なら抵抗をするな」
「そんなことは……でも……んっ!」
口元に笑みさえたたえ、彼は奥深くに腰を進め、結合を強固にする。
「い……いや! 出して、ブラッド……っ!」
「無理な相談だ。念願叶って君を征服出来たというのに」
つながった箇所から卑猥な音がし、破瓜の血がソファにこぼれた。
「……っ!」
涙がにじむ。
十分に湿らされ、念入りに準備させられた後だったとはいえ、誰も入れたことのない
場所に男性を受け入れさせられたのだ。その痛みはそれまでの快感を軽く凌駕した。
「ナノ、もっと力を抜きなさい……動くぞ」
「……や……っ!」
経験したことのない痛みに頭がいっぱいになる。
何度も打ち込まれ、そのたびに意識を鮮明にさせられ、涙で濡れた瞳で見上げる。
それでもなすすべなく翻弄されるしかない。
これが自分が望んだ事なのか。全く分からない。
「ん……あ……っ」
ブラッドの動きが激しすぎてソファから落ちそうになり、反射的に彼にしがみつく。
「くく。可愛い反応をするな、ナノ」
「…………っ!」
硬さを増したそれを、さらに奥深くに押し込まれ、息が止まりそうになる。
「どんな気分だ?お嬢さん」
「う……痛くて……熱くて……すごく熱い……です……」
「いい子だ。そのまま集中していなさい」
「はい……」
ブラッドに舌で涙をすくい取られる。
するとなぜか身体の中心からじわりともたげるものがある。
それは痛みをわずかに押しやり、急き立てるような熱を高めていく。
「はあ…はあ……やぁ……」
ブラッドは激しく責め立てながら、私の反応をじっと見ていた。
私の痛みの悲鳴はいつしかあられない喘ぎ声に変わり、みっともなく叫び続ける。
「ブラッド……ブラッド……気持ちいいです……もっと……」
馬鹿みたいに名前を呼び、彼を抱きしめる。
もうどうでもいい。身体が与えられる快感に震え、愛液がとめどなく流れる。
ブラッドの打ちつけもさらに強く激しくなっていく。
「はあ……はあ……んあ……やっ」
「ナノ……ナノっ」
「だめ……ああ……ああ……っ!」
「ナノ……」
叫んで達した瞬間に、内に何か熱いものが大量に吐き出されるのを感じた。
私は脱力し、全身を痙攣させソファに沈み込んだ。
「はあ……はあ……」
激しく息を吐き、呼吸を整えながら、ブラッドが出て行くのを待った。けれど、
「ブラッド……?」
彼は少し息を乱しながらも私に笑いかけ、再び私の腰をつかむ。
「ブラッド……その……」
「一度の交わりで終わりなど、寂しいことを言わないでくれ、お嬢さん」
「そんな……あ……っ」
抵抗する間もなく、ブラッドが再び動き出す。
硬い感触が再び隘路を抉り、私の喉から声が出る。
でもその声の中に、露骨な艶が混じりはじめていることを、私は自覚していた。
「まだ君と離れるには早すぎる……さあ、君も腰を動かしなさい、ナノ」それは飼い主の命令だった。
「はい……ブラッド……」
私は小さくうなずき、ブラッドの責めに合わせ、ぎこちなく動き出す。
まだ薄れない自分の痛みはどうでもいい。
ただ目の前の支配者を喜ばせる事が第一だった。
「あっ……あっ……ああ…」
「ナノ……」
強く責められ、またソファから落ちそうになり、今度はブラッドの大きな手に支えられる。
――ここ、ちょっと危ないですよね……。
落ちかけたせいでほんの少し冷静になり、そう思う。
――でも、どうでもいいですか。
私は目を閉じて、再び快楽の場に戻る。

本当にもう、何もかもどうでもいい。

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