:: 青黄は雨が止む前に泣きながら、膝にゆるやかな短いキスをするでしょう。 |
11/29 21:10 診断メイカーより http://shindanmaker.com/53071 窓の外では、未だ横殴りの激しい雨が降り続けていた。部屋の中だけ世界から隔離されたように静かで安全だ。この空間に逃げてきた俺達は場違いなほど髪も服も水分を含んでいた。 「青峰っち、頭拭いて。風邪ひいちゃうっスよ」 同じくらいずぶ濡れの黄瀬は、ポタリと髪から雨粒を垂らしながら俺にタオルを渡してきた。いつだって自分の心配は後回しだ。椅子に座る俺の顔をのぞきこむその頭を抱き寄せると、体が固く強ばった。離して、と穏やかな声で諭される。俺はこの声に弱い。 黄瀬は床に膝立ちになり、自ら俺の体を拭いていく。丁寧に柔らかい繊維で足をくるまれる。乾いた膝を一撫ですると、ほろりと透明な涙を溢した。それは頬を濡らしていた雨と混じり合って顎を伝う。 「青峰っちの足は、この足は、バスケをするためにあるんスよ、俺を追いかけるためじゃない」 形の良い唇が膝に触れて、乾いたはずのそこがまた濡れた。 もう期待させないで、 俺の苦手な声が安全だったはずの場所をどしゃ降りにした。 水槽の魚が死にたがる (0) |