「卒業して初めてのドラマで渉と一緒になるとは思わなかったよ」

「それはこちらの台詞ですよ、流架。ちなみにその台詞、5回目です。」

クスッ
小さく息を漏らして笑った彼は特徴的な長い髪を一つに結ってから台本を開いた。いつものハイテンションは消え去り真剣な顔で台本を読んでいる。夢ノ咲学園を卒業後、アイドル活動を減らし演技の道へと進んだ彼。私はアイドルとして活動しているし、彼は演技の勉強で忙しい為しばらくは会わないかと思っていたがこんなに早く再会するとは。彼もしっかり仕事は受けているらしい。

「CM、過激でしたけど零には言いました?」

「言ってないよ。今日流れたの観てびっくりすればいい」

「相変わらずですね、私は好きですが」

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