「そーいえば文化祭、康太のクラス何やんの?」
「うちはコスプレ喫茶だよ」
そう言われたのが2学期始まって少し経った頃。
最初はへぇ〜と受け入れていたものの、ある人物が頭を過って固まってしまったのを未だに鮮明に覚えている。康太のクラスには俺の想い人である美人の幼馴染がいるのだ。アイツがコスプレなんてしたらモテまくりでチヤホヤされるに決まってる...!文化祭は外部からも人が集まるし、俺が誘う前に他の男に誘われたりでもしたら...
というわけで文化祭当日である今日。
俊介を連れて康太のクラスへ向かっています!
最初、俊介は嫌そうな顔をしていたが、幼馴染のピンチだと言うと渋々付き合ってくれた。といっても、コイツもサッカー部の出し物の方にも顔を出しに行かなければならないらしく少しの間だけという条件付き。
アイツが嫌で無ければ、しゅしゅが行った後は一緒に回りたいな...なんて考えながら廊下を歩いていると教室のドア付近に立っている康太を見つけた。
「よー康太!」
「あ、祐に俊介。おはよう」
ポムポムプリンのパーカーを着て、耳付きのフードを被っている康太はニッコリ笑う。そういえば今日はお互い文化祭の最終準備で忙しくて朝から会ってなかったんだっけ...後で会長と諒ちゃんにも会いに行こう。
「おはよ〜。プリン可愛いじゃん」
「燕尾服が何人もいても面白くないからって菜摘ちゃんが勧めてくれたんだ」
「菜摘が?」
「うん。ほら、あそこ」
そう言って康太が指を差す。
指の先の辿るように教室の中を覗くとアリスやナース、うさ耳をつけた女子や燕尾服、白衣を身につけた男子の中に混ざる、よく見知った姿。
「ミニスカ...ポリ、ス」
「飛び抜けて似合ってんな。流石菜摘」
面倒そうな顔をしていた俊介も彼女の姿を見て目を丸くさせていた。確かに言う通り、凄く似合っている。髪もヘアアイロンで伸ばしたらしくサラサラのストレートになっていて下を向いた時に落ちてくる髪のせいでいつもより数倍色気を感じさせる。
「俊介!何であの子、あんな美人になってんの!!」
「お前なぁ...つーか大体、菜摘は元々美人だろ」
「そうだけど!あれは絶対悪い男に捕まる!」
「どっちかと言うと捕まえる側だろ」
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