夏休み。
課題を早くに終わらせて暇を持て余していた私は、残りの休みをどのように過ごそうかとベッドに横になってスマホでセール情報を見ていた。相変わらず両親は仕事で家に居らず家族で出掛ける事もなければ、不仲(?)である兄は仕事をしつつ新しい家族と一緒に過ごしているらしく、うちには来客も無かった。
友人を誘って買い物か遊びにでも行くか?と思ったが、この尋常じゃない夏の暑さに外に出るのも億劫だろう。...やる事ないなぁと枕に顔を埋めたとき、スマホが音を立てた。
「...ん」
メッセージが届いた通知だ。
アプリを開いて確認すると1番上に幼馴染の妹の名前。タップして画面を開くと可愛らしいスタンプと"助けて"というメッセージが表示された。文脈的には危なっかしい内容だが、可愛らしいスタンプを同時に送ってきているところからすると...彼氏とのデートで困った事にでもなっているのだろう。
「由梨誘うのもアリ?」
とりあえず、"どうしたの、大丈夫?"と返信すると直ぐに既読が付いた。しばらく待っていると軽やかな音とともにメッセージが更新された。
『菜摘姉、今暇?』
"暇だよ"
『また洋服選ぶの手伝って!』
"おっけー。そっち行こうか"
『おねがいします!』
軽くやり取りした後、部屋着から着替えてスマホと家の鍵を持って部屋を出た。
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