「ちょっと、入り口で煩いんだけど」

俊介と言い合っていたら直ぐ近くで少し低めの聴き慣れた声が聞こえた。見ると、教室のドアに寄りかかるミニスカポリスの格好をした幼馴染。いつもより数倍可愛い幼馴染をじっくり見たいし独り占めしたいが、クラスメイトが周りにいっぱいいるこの場所ではあんまり近付かない方が良いかと思って距離を取る。すると彼女は不思議そうに眉を潜めた。

「何で俊介の後ろに行くの?」

「いや...クラスメイトの前だし、俺と話すの嫌かと」

「ああ。...もう別に気にしてないよ」

寄り掛かっていた体を離して腕を組んだ彼女は、チラッと教室の中を見た。それから俺を見る。油断していたからバッチリ目が合う。

「少なくとも、このクラスの友達はわかってくれてるし、アンタも庇ってくれるってわかったから」

「え、じゃあ俺、前みたいに菜摘に話しかけてもいいってこと?」

「そう言ってる」

今まで真っ直ぐ見つめてきていたくせに、そう言って照れたように顔を背けたのが可愛くて笑みが溢れる。嬉しすぎて大声ではしゃぎたい気分だが、それは流石に彼女は嫌がるだろう。大人しく嬉しさを噛み締めることにする。

「...やべぇ嬉しすぎて死にそう。今すぐ抱き締めたい」

「人多いし無理」

「っ、じゃあ!店番終わったら...2人で周んね?」





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