電話越しに聞こえてきたのは水野祐ではなく、もう1人の幼馴染・吉野俊介の声だった。でも画面には"水野祐"と表示されている。彼等は一緒にいるのだろうか?というか一緒に居るんだったら何故俊介は自分のスマホから掛けて来ないんだろう?袋を開く手を止めて落としそうになったスマホをしっかり握る。
『アッ!俊介、おまっ!』
『お前が全然ボタン押さねえからだろ』
電話の向こうが騒がしい。
やはり彼等は一緒にいるみたいだ。
「えっと...俊介?」
『ああ悪いな。お前、明日空いてるか?』
「明日...」
鞄に入っているスケジュール帳を取り出す。
今日友達とも遊んだし、特別な用事は無かった筈...明日の日付を見るがそこにはスーパー特売日と書いてあるだけで特に用事は記入されていなかった。
「スーパーの特売日」
『...スーパー、朝でいいか?』
「うん?」
『じゃあそれ付き合うからお前も俺らに付き合え』
「いいよ」
スーパーに行くのに人数が増えるのは有り難い。
更に特売日だ、普段は1人で決まった分しか買えないが人数がいる分、ストックまで買う事が出来る。
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