9月下旬。
秋になり夏の攻撃的な暑さも和らぎ、秋らしく本格的に涼しくなってきた。近頃太陽が沈むのが少し早くなったようで、気付けば外が暗くなっている事が多い。
学校の制服も夏服から中間服や冬服に衣替えの期間を迎え、かくゆう私も夏服から長袖のシャツを身につけるようになった。でも、まだ昼間は暑くて殆どの人が袖を捲り上げている。同じく自分もそうして暑さを凌いでいた。
...まあ、今回は学校関係ないんですけどね。
学校終了後、翌日が土曜日な事もあり友達と寄り道し、遊んで買い物を済ませてから帰宅した。誰も居ないリビングを見てから自室に鞄を置く。
いつもはこの静かな空間が嫌で直ぐにTVを付けて寂しさを紛らわす為に料理を始めるが、今日は友人と買った物を早く開封したくて机の前の椅子に腰掛けた。
と。
ーーーーーブーッブーッ
サンリオの袋を手に取ったところで携帯のバイブ音が聞こえてくる。メールか何かの通知かと思い、また袋に目を向けたが、音は止まる気配を見せない。...電話か?鞄から携帯を取り出して画面を見る。
ーーー水野 祐
隣に住む幼馴染の名前が表示されていた。祐から電話がかかって来るとは珍しい。通話のボタンを押して耳と肩でスマホを挟む。自由になった手で袋を持った。
「もしもし、祐?」
『あ、俺』
「......俊介?」
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