家にいるということで直ぐに出て来たものの...幼馴染とはいえやはり他人の家。祐に許可を得ているときはそのまま入るが、そのまま入るのは気が引けて一応インターホンを鳴らす。

少し間が空いてから"はーい"とドアが開いた。
でも待て、この声は。


「あれ、菜摘?」

「...祐」


やはり。部屋着姿の幼馴染が顔を覗かせた。
驚いた様子の彼は2、3度瞬きをするといつもの様子に戻り"鳴らさなくても良いのに。"と笑い、身体を退けてドアを開いて招き入れてくれる。


「祐、居たんだ」

「ん、ああ。今日は康太達とも約束してないし、俊介は部活だしな」


そう言いながらスリッパを出してくれる。
靴を脱いで揃えていると、呼び出した由梨の靴が無いことに気が付いた。立ち上がってからリビングに向かっている祐の背中に問う。


「由梨は?」

「由梨なら少し前にお菓子が無いってスーパーに行ったけど」

「えぇ...全然気付かなかった」

「何、由梨に呼び出された感じ?」


リビングのソファーに腰掛けるとキッチンに入った祐が苦笑する。冷蔵庫から麦茶の入ったマイメロディのボトルを取り出し、それまた可愛らしいマイメロのグラスに注いでいるのを見て彼らしくて口元が緩む。そういえば、2人きりなのも久々だ。

私がずっと無言でいたのが不思議に思ったのか、祐が顔を上げた。視線がぶつかる。





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