言われる事を諦めていた、でもずっと待っていた言葉に頬がこれでもかという程熱くなる。しっかりと目を見て言われ、彼が本気で言っている事が分かった。目を逸らして顔を背けたいが、彼の熱い視線から逃れられない。


「お前、俺の事好きだろ」

「っ...自惚れてんな」


昔からずっと片思いしてたけど、ここで認めるのはなんだか癪で言い返す。でもコイツの事だからもうバレてるのかもしれない。祐は私の考えてる事を見透かしたように優しく微笑み、抱き締めてきた。


「素直じゃねぇ奴」

「ちょっと、離して水野くん」

「これからどんどん俺の事意識させるからさ。...とりあえず、苗字呼びやめね?」

「...考えとく」


中学の時から距離を置いていた私。今まであまり関わろうとしなかったから名前を呼ぶのも呼び方を戻すのもなんだか恥ずかしくて少し躊躇してしまう。

コイツのファンに何されるか分からないし2人の時ならまだしも学校で呼び捨てはハードルが高い、と考えつつそう答えると、祐は無言で服に手を突っ込んで来た。そのまま背中に回し下着のホックに手を掛ける。


「ひゃっ」

「あんまり焦らすとこんな事されるけど、いいの?」

「やっ、やだ!」


慌てて猫背になり、前を抑える。
そんな私の姿を見つめながら背中を指で一撫でした祐はニッコリ笑顔で口を開いた。


「祐、は?」

「....ばか祐」


思いっきり睨んで彼の傍から抜け出し、ベッドを飛び降りた。彼は少し黙り込んだ後に小さくうーんと唸りベッドに倒れ込む。もぞもぞと動いてこちらを見た彼は頬を部屋と同じ色に染めて笑顔を浮かべていた。


「メロちゃんなのは変わってねーんだな」





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