「由梨〜...どうしよう」


本気でどうすればいいか分からず、彼女の肩に頭をぐりぐり押し付ける。由梨は菜摘姉が頼りなーい≠ネんて嬉しそうに喜んでいた。


「菜摘がお兄ちゃんの彼女になってくれたらいいなってずっと考えてたんだけどね、でもお兄ちゃんチャラいし押し付けがましいしキモいから背中押すに押せないっていうか」

「あはは、由梨本当に今の祐嫌いなんだねぇ」

「だって菜摘姉が辛いの嫌なんだもん!」


嫌いと言う割には私達の事をよく見ているらしい。
私がどんなに隠していても、彼女はそれを見破ってしまう。私がボロボロになって帰って来た日も彼女の兄に恋をしているという事も、全部お見通しだった。


「由梨、ありがとね」

「ううん!それよりさぁ、今度の土曜日彼氏とデートなんだけど...」

「お、いいね。オネーサンが可愛くしてあげちゃうよ〜ん☆」

「有難う!菜摘姉大好き!!」


可愛らしい笑顔で抱き着いてくる由梨が愛おしくてぎゅっと抱き締め返す。悪戯しようとそのまま脇腹をくすぐってやるとくすぐったいよ〜≠ネんてケラケラ笑いだす。

彼女の笑顔を見て、改めて兄の祐に似ていると実感する。同じような顔してるのに由梨にはこうやって抱き着いて好きって言えるのは何故だろう。


「由梨可愛い〜好き〜「俺を突き飛ばして逃げておいて、俺の妹とはイチャついてるのは何でかな菜摘ちゃん」





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