「あ」

いつもの練習後、家に帰ってきてシャワーを浴び、夕飯までゆっくりゴロゴロしようとベッドに横になり、スマホの画面を付けたときに気がついた。

今日は日本で言う"閏年"で、4年に1度、2月が29日までになる日だった。そして気がついたのは今日が29日であるということともう一つ。

「...誕生日じゃん」

明日、つまり3月1日は私レイラヴォリスカヤとリンクメイトであるユーリプリセツキーの誕生日だ。練習後、ヴィクトルに"明日は強制休み"にされたのと、今日やたらとご飯に誘われたのはこれだったからか。

スマホの画面に表示された時刻は、まだ夕方の早い時間を指していてヴィクトルとの待ち合わせにはまだ時間がある。お風呂に入って体が温まったからか、練習の疲れと毛布の暖かさでなんだか目蓋が重くなってきた。...30分程仮眠しよう。

襲ってくる睡魔に逆らわず、素直に目を閉じた。






ーーーーーーーー...


「ん...」

頭に温かい何かが乗り、顔に掛かった髪が払われる気配で意識が浮上する。ゆっくり目を開くと視界に入ってきたのは綺麗なブルーの瞳。優しく微笑んだ彼は目覚めた私を見て"あ、起こしちゃった?"なんて優しい甘い声で囁いた。


2、3秒ぼーっと働かない頭で目の前の綺麗な整った顔を見つめていたが、それが兄弟子であるヴィクトルニキフォロフだと気付き一気に約束の事を思い出して勢いよく体を起こした。


「っ、今何時!?」

「おはよう、19時だよ」

壁にかけられた時計もヴィクトルが言った時間を指していて約束をしていた時間をそんなに過ぎていないことにホッとする。それでも待ち合わせは18時30分だった為ヴィクトルに向き直り謝罪した。

「ごめん、急いで準備する!!」

「いいよ。練習もハードだったからね、寝ちゃうんじゃないかと思って予約遅めにしてあるんだ」




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