「ふぅ...」


練習を終え、シャワーを浴びてロビーに出る。
この後少し時間を置いて勇利と食事をする約束をしているが、まだその時間まで余裕がある。ジャージ姿で食事というのもなんだし、一旦自宅に帰って着替えて来ようかと出入り口に向かうとベンチに座り込むリンクメイトを見つけた。

フードを深く被り表情は見えないが、彼はスマホを片手で持ち何か操作をしている。生憎私は機械に疎い。皆がSNSとやらもよくわからずアカウントを作ったはいいものの、中々更新出来ずにいた。


「ユーリ」


右横から声を掛ける。
彼はパッと整った天使のような顔を上げて緑がかったブルーの瞳で私を捕らえた。フードで抑えられている筈の細い髪が揺れ、彼の右目を隠す。


「...レイラ」


心底驚いた顔をする彼。
しかし直ぐに我に返ったようでいつもの表情に戻ってスマホをポケットに突っ込んだ。


「何してたの?」

「インスタの確認」

「ああ、ユーリって意外とマメよね」




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