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公式練習での最終調整を終わらせた私はミラと一緒にバルセロナでお店巡りをすることになった。服を見て回ったり雑貨屋に寄ったりカフェ巡りをしてゆったり過ごしたり...そんなことをしているうちにすっかり夜になって辺りは暗くなり街の光がキラキラと輝いていた。

「レイラ〜、夜ご飯どうする?」

「うーん。折角だから外で食べたいよね」

一旦ホテルに戻り、買った荷物を置いてから外に出た私達。携帯の画面に表示されている時間をみてそろそろ夕飯時だと気付いた。早速ブラブラとホテルの近くを歩きながら良い店が無いか探す。と。

「あ」

ミラが短く声を出した。

「どうしたの、ミラ」

彼女が見ている方向を見る。
そこには見知った男子達と号泣している2人の女性がいた。

「(何あの現場...)」

「何アレ...」

ご飯を前にして号泣している女性と動揺している様子の男子スケーター数人...よく分からない状況にドン引きしているとミラも私が心で呟いていたのと同じようなことをボソッと声に出した。ああ、シンクロしている。さすが親友。

「ミラ、見つかる前に...」

そう言ったところで座っているリンクメイトの金髪が揺れ、こちらに振り向いた。ばっちりと目が合う。私たちに気が付いた彼は立ち上がり座っていた勝生勇利に声を掛けてからこちらに向かってくる。彼の背後で泣いていた女性が泣きながら私達を見て目を輝かせているのが見えた。

「わ!バレた!」

「どうなってんのよアイツのレイラセンサー...」

「とりあえず挨拶してから直ぐ立ち去ろうか?」

「賛成」

少し面倒そうにミラが答えたところで丁度目の前にユーリプリセツキーが立ち止まった。挨拶しようとしたところで小さな紙袋を渡される。紙袋を差し出した本人は照れたように伏し目がちに私を見た。

「レイラ、やる」

「へ?」

「この間、髪ゴム切れてただろ。その、気に入ってたやつ」

「あり、がとう...」




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