緑がかったブルーの瞳に見つめられ、珍しく真剣な顔をした彼から目が離せない。今、何と言った?ーーー俺と一緒に滑らない?新手の軟派みたいな台詞だ。

というかその通りだ、軟派されている。
私が彼の、ユーリ・プリセツキーのペアダンスの相手に誘われている。私が彼と?シニアデビューであんな功績を残した彼と私が釣り合うのだろうか?ユーリは私で満足なのか?というか何故私と...?


「...振りは?」

「ヤコフに頼んでる。ペアの許可もさっき貰った」


ああ、だからあんなに嬉しそうな顔をしていたのか。相手が決まってないうちにヤコフに相談しているなんて、相変わらず動くのが早い男だ。私が断ったら...ミラを誘うのだろう、何故か心臓の辺りが苦しくなった。


「ユーリは、私で良いの?」

「お前がいいから誘ってんだろ」

「私が断ったらどうしてた?」

「...お前以外、考えられねぇし」


考えてなかった
そう言ってから紅く染まった頬。
つられて私も赤くなったらしい、頬が熱い。
先ほどの胸の嫌な痛みが今度は違う、不快ではない痛みに変わる。何故か鼓動が速くなった。


「ユーリ」

「...んだよ」

「私、初めてだから優しくしてよね」

「っ変な言い方すんな」



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