隊首会
それは私にとって一番出向きたく無かった、今迄避けていた会議である。何故ならば護廷十三隊入りしたときから厳しくを通り越して目の前にいる総隊長に鍛えられているからだ。ここに来るまでに何回立ち止まろうとしたことか。足取りが重い私を見かねて日番谷隊長が背中を押してくれてここまで辿り着いた。


「この度、三番隊隊長代行に任命されました風ノ間春と申します。宜しく御願い申し上げます」


冷や汗をかきながら頭を下げる。
確かに私は隊長方と面識はあるし良く会話もしている。だが、この冷たい空気には慣れていない。皆あんなに愛想良く接してくれるがやはり隊長は隊長なのだ。


「頭を上げよ」


力強い爺さんの声が聞こえて顔を上げる。
目に入ったのは総隊長、そして穏やかな顔をしている隊長方が数人とやはりかという顔をしている砕蜂隊長。表情の読めない隊長がちらほら。ギンだけでなく他の隊長格が抜けて穴があるが、隊長の席の後方には副隊長がしっかりと並んでいる。
副隊長達は納得しているような顔でこちらを見ていた。


「やっぱり春ちゃんが隊長か〜」


京楽隊長の緩い声で張り詰めていた空気が少し緩む。後ろにいた七緒ちゃんは慌てて止めていたけれど、あの卯ノ花さんも一度軽く息を吐いてこちらを見て微笑んでくれたから、このくらいは問題無いのだろう。


「現世への派遣も了承したということですね」

「はい、就任したばかりですが行って参ります」


卯ノ花隊長の問い掛けに応えるとそれを待っていたらしい総隊長は頷いてから少し話をし、皆を解散させた。

私が敵では無い事を分かっていながら、ギンと親密な関係であって下手に動けないのをいい事に...色々と拒否していたものを了承せざるをえない今背負わせるとは。これだから山爺は苦手なんだ。





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