「本日より三番隊第三席に任命されました風ノ間春と申します。宜しくお願い致します」


六番隊の一時的な人数不足により、四番隊から移動し、数ヶ月の間六番隊の第三席を任せられる事になった。四番隊にいたときに鈍った戦闘の感覚を思い出し、朽木隊長に任務を安心して任せられる、と一目置かれるようになった頃。また私に移籍の声が掛かった。丁度、六番隊の人数不足も解決した直後だった為、隊長からの誘いを受け三番隊に所属する事にした。

そして、今。
三番隊隊長の市丸ギンの部屋へと挨拶に来ている。
なかなか返事が無く、不審に思って下げていた頭を上げると頬杖をついた隊長とばっちり目が合った...と思う。糸目だから分からないが。
隊長は"あァ、君か。"と言って席を立つ。


「はい、本日よりお世話になるので挨拶に参りまし「1つ、聞いてええ?」


再度頭を下げようとすると、隊長に遮られて顎を持ち上げられた。少し動揺したが二つ返事で了承する。


「君、真央霊術院1年で卒業してんのに、何で何処の隊でも三席に留まってるん?」

「...隊首会で山じぃに会うのが嫌だからです」

「正直やなァ」


彼は満足したように口元を緩めると浮かべていた笑みをやめた。糸目の目が開き、アイスブルーの瞳がこちらを覗く。不覚にも綺麗だと思った。


「...綺麗」


無意識に口に出ていたらしい。
自分の瞳の事だと気付いた彼はクッ、喉を鳴らして"君なら何遍でも見せたるわ"と私の頭を軽く撫でた。

頭に乗せた手はそのままに首を傾げて顔を覗き込まれる。口付けされそうな距離に胸が高鳴った。


「市丸ギンや、よろしゅう。春チャン」

「宜しく、お願いします」


この日から私の三番隊での生活が始まった。
珍しくドギマギしていた私は、これからこの人に振り回されることになるとは思ってもみなかった。




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