「お似合いですよ、春」
一番隊舎を去る隊長達を見送っていると、去り際に卯ノ花さんに言われた。卯ノ花さんの後ろにいた勇音ちゃんにもニッコリ微笑まれる。
「卯ノ花さん...」
「これから宜しく御願いしますね、風ノ間隊長」
"推薦して良かった"なんて言われてがっくり肩を落とした。卯ノ花さんも推薦したの...そりゃ古株の隊長が二人も推薦したら他の隊長は反対出来ないよなぁ。
しょんぼりしていると訳を知っている隊長副隊長が私の頭や肩をポンポンと軽く叩いてから一番隊舎を去っていった。
「風ノ間」
「日番谷隊長」
「今回溜まってる三席の仕事は片付けといてやる。その代わり三番隊の把握と現世に行く準備は怠るな」
「...はい」
現世行きまであと僅かしか無いが、三番隊全てを把握出来るだろうか。イヅルくんがしっかりしているから現世に行った後は安心出来るけれど、突然穴埋めで隊長になった私が直ぐに受け入れられるか...不安で仕方ない。ここで纏め上げられるのが隊長なのだろう。まあ、いつまでもクヨクヨして居られないし取り敢えず戻って三番隊の事を叩き込む。
「戻ろう、イヅルくん」
ずっと背後で待っていてくれた副隊長に声をかける。彼は優しく微笑んでからいつものように話し掛けてきた。
「少しは落ち着いた?」
「全然!でもああ言われちゃったから仕方ない!!頼りにしてるよイヅルくん」
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