こんなに速く瞬歩で移動した事があっただろうか。そのくらい速い速度で隊舎まで戻り、直ぐに風呂に入り体と髪の毛を綺麗にした後湯船に浸かった。
お湯の温かさが身に染みてホッとする。


「...」


寂しくない、と言ったら嘘になる。
凄く会いたい。ちゃんと話をしたい。
あの胸に飛び込んで抱き締めてもらいたい。
...恋しい。自分の身体に残る彼の霊圧とあの部屋に残る香りが胸を締め付けて何度も涙が溢れてきた。

正直、気を緩めたらいつでも泣ける。今でも泣いてしまいそうだ。だけど、ある答えに行き着いてから泣かないと決めた。私はもう一度彼に会わなければならない、絶対に。


「...よし」


改めて決心し、伏せがちだった瞼をしっかり開いて前を見る、と。前に一度だけ私に姿を見せたものが目の前にいた。何故またここに現れるのだろう。


「神、鎗...?」


ゆっくり手を差し出すとゆっくり近付いてきて手に擦り寄った。


「ここに来ると、危ないよ」





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