朽木ルキア捕縛から数日。
やはり彼女は尸魂界での処刑が確定し、彼女には約1ヶ月の猶予が与えられた。その情報は隊長を通じて各死神に伝えられ、死神達の噂の話題はその事についてばかりになっている。
噂によると今は阿散井くんが彼女に食事を運んだり様子を見ているらしい。傷心している愛おしい女を見るのは嘸かし心が傷むだろう。
処刑には隊長と副隊長が強制参加になる為、隊舎の警備が手薄になる。一応第三席の私は隊長から命を受けた。実は他の隊の第三席がそんなに好きではない私は渋々協力する事を了承した。褒美に隊長が私の好物を買ってきてくれるらしい。
「...ん」
伝言ついでに隊長から貰った栗饅頭とギンに持たされた干し柿を片手にまたいつもの様に屋根に乗っていると何か騒がしい事に気が付いた。
瀞霊廷の中では無い...流魂街から?
すん、鼻を鳴らしてから意識を集中させる。
何処だ。何処の異変だ。
始解していない状態での捜索は力がいる。
ぐぐっと力を入れて黒姫の範囲を広げると流魂街でも無い事が解った。...ということは。
「道か!」
想像していた通り、旅禍が朽木ルキアを取り戻しに来たらしい。門が開かれて旅禍が入ってきたのを異物として排除しようとしている。急いで隊長に知らせようと立ち上がると背後に気配。
「えらい急ぎやね、春」
「ギン!」
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