「朽木の捕縛ぅ?」
突然ギンに呼び出されたと思ったら少し...というか大分重要な情報をお茶菓子と共に提供された。私の好物である栗饅頭を片手に今告げられた事を鸚鵡返しすると彼はせや。短く返事をしてからお茶を啜った。緊急隊首会で発表されたであろう情報が良く分からず首を捻る。
「朽木って白哉?」
「阿保。捕縛される人間が現世に派遣されてどないするん。義妹や、義妹」
「朽木ルキア...現世担当になってたんだ」
あまり関わりのない他の隊のことだ、興味が無いし知らなかった。まあ、でもあの白哉の義妹が掟を破るとは...私じゃ有るまいし。
「捕縛、抵抗するなればその場で処刑や」
「その場で処刑されなくても尸魂界で罰せられるでしょ。重禍罪よ」
「...可哀想になァ」
小さく呟いた言葉が意外で目を丸くして彼を凝視する。ボクだってそのくらい言うよ、ギンが笑って私の頭に大きな手を乗せた。その手の温かさに安心感を覚えて身体の力を少しだけ抜く。彼はそれを分かったようで私の肩を引き寄せた。彼の肩に頭を乗せて、今後起きる出来事を想像する。
「(...そういえば、ルキアから死神の力を譲渡された人間はどんな人なんだろう。ルキアが捕縛されたら助けに来るのではないだろうか?)」
...旅禍が突入してくるのであれば、そのときは私の出番か。
その晩、朽木ルキアが捕縛され瀞霊廷に戻り、白塔・懺罪宮四深牢に囚われた。
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