今までとは桁違いの虚の霊圧に、対処していた死神達は怖気付きつつも その場で冷や汗をかきながら刀を構える。虚の姿が変わり、素早く攻撃を仕掛けてくる。攻撃が当たりそうになる直前、虚の拳に斬魄刀が突き刺さった。

その場にいた死神達は凄まじいスピードで拳を貫いた斬魄刀が誰のものか理解し、腰を抜かす。


「"射殺せ"...なんて言うと思った?」


想像していた人物の声では無く、少し低めの女の声が背後から聞こえてきて腰を抜かした死神や、周りにいた死神が驚いて声のした方へ振り向く。彼女は今まで霊圧を隠し抑えていたのをやめると、ニッコリ笑った。


「ギンかと思った?ざーんねん」

「風ノ間第三席!」

「ほら、こっち向いてないで集中。私がアシストすんだから一瞬の隙も見逃すんじゃない、よッ!」


殴りかかってきた虚の拳を瞬歩で避け、虚に刺さっていた斬魄刀から移動する。有難う、移動する直前爪先でちょんちょんと刃を撫でると神鎗の伸びていた刃が持ち主の方へと縮んでいった。虚と距離を取り、斬魄刀を鞘から抜く。そういえば神鎗は、瞬歩を使いつつ片足で、とはいえ私を乗せて重くなかっただろうか。


「舞え、黒姫」


斬魄刀が黒く染まり、無数の蝶が飛び立った。
その内の一頭をギンの元へ送る。
斬魄刀の能力でこれが映像化されて彼の目になる。
今のところギンだけが知っている私の斬魄刀の能力の1つ。


「さぁ、視界から行くよ」





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