「うん、今日も良い天気!」
カーテンを開けて綺麗に晴れた空を見上げる。
カナズミシティからルネシティに移り住んで3年。
一通り旅も落ち着かせ、今はここで育て屋、預け屋をしながらゆったりと暮らしている。
空から目を離し、くるりと振り返って部屋全体を見渡すと賞状やリボンが飾ってある場所のすぐ傍の写真立てに目がいった。
3人で写ってるのが1つと2人で写ってるのが1つ。
私の隣に写っている銀髪で青い目の青年は、ここ最近ちょくちょく会いに来るようになった石と鋼タイプのポケモンが大好きな幼馴染。彼は小さい頃からちょっと変わった人だった。
彼に出会った頃、私も彼も小さくて
とにかくキラキラしたものが大好きで。
最初はお互い人見知りしていたものの、すぐに意気投合して色んなところに石を探しに出掛けたっけ。
お互い旅に出て、再会した頃には彼は凄く大人になっていて、そして強くなっていた。
ーーああ、これが2歳の差か。
なんて思ったりもしたっけ。
あのときは会えて嬉しかったのと同時に悔しさも溢れ出てきて、そして…彼に対する気持ちが兄を慕うものではないと気付いた。
「はぁ」
「ゴヨッ!」
ぼーっと昔を思い出しながら溜め息を吐くといつの間にか傍に来ていたらしいポケモンに小さくたいあたりをされた。足に小さな衝撃。
慌てて我に返ると、足元に小さな水色。
その水色は私が自分に気が付いたと分かるとニコォっと顔を緩ませてこちらに向かってジャンプしてきた。
「わっ、」
すかさずキャッチしてその子を抱くと、それが嬉しかったのか頬擦りしてくる。
「ゴヨゴヨ〜」
「あははっ、ミズゴロウおはよう!」
親バカと思われるかもしれないけれど、卵から孵ったばかりで舌ったらずに鳴くミズゴロウは凄く可愛い。1番可愛い。癒される。
私も負けじとミズゴロウに頬擦りしていると、玄関のドアが開かれた。
家の中に入ってきた人物は私たちを見て呆れたように笑う。
「おはよう、ナミ」
「ノックくらいしてよね、ミクリ」